ディスカッション

私たちは日本の労働の現状を調査する過程で、日本では労働形態の前提として終身雇用制度(年功序列制度)が存在する企業が多いため、ディスカッションを通して終身雇用制度の是非について話し合うのが良いのではないかと考え、ディスカッションを行うことにしました。 また、当サイトでも扱っており、現在導入が進められている「働き方改革」は本当に効果があるのかについて今一度考えたいと思い、働き方改革もディスカッションのテーマとしました。

T「日本の伝統的な体制(年功序列、終身雇用)のいい影響、悪影響について」
T「いい影響は安定感だよね、先生も言ってたけど」
W「安定感ねえ、人材育成とかやりやすそう」
S「終身雇用は労働者の収入が確保されるっていう意味でも安定してるね、でも年功序列のメリットが思いつかない…」
W「終身雇用あると離職率下がるしね」
W「年功序列も離職率低下につながると思う」
T「続けたら給料上がるから確かに続ける大きなメリットではある」
S「年取ってもずっと職場が確保されるからか」
W「楽っちゃ楽だよなあ」
W「問題はメリットがほとんど経営側のほうが大きいんだよね」
S「経営側は支出がかさむと思ってた」
W「人事評価やりやすくなるでしょ、人員抜けないから仕事やらせられるし」
T「人事評価楽ではある。でも終身雇用やめたほうが人事部が真面目に能力見そう」
S「要は、実際無能なのに年数が長いだけで有能と思われる説あるってことか」
D「終身雇用やめたくてもやめられないでしょ」
S「まあ今から根本的に変えるのは難しそう」
D「制度変えるなんていったら何人反発するの、メリットデメリット云々ではなくやめられない。ただそれだけだよ」
T「やめられないは絶対事実、一度終身雇用にしたら(制度変えることは)力を持ってる上の立場の人にはメリット薄すぎるから」
D「議論すべきはメリットデメリットだけではなく、終身雇用と欧米式の能力評価式を比較した上でより良い方を選び変えるなら変え方を考える」
D「上に立ってる人が終身雇用の結果上に成り上がったのに能力評価制にしたら自分の地位が危ういでしょ、立場が危うくなることわざわざするわけない」
T「実力主義のメリット=終身雇用のデメリット、終身雇用のメリット=実力主義のデメリットで考えていいのかな」
D「それはちがうでしょ、実力主義に安定感ないなんてことはない」
W「結果出せないとすぐ解雇になる場合多いよ(外資系)」
T「無いとは言わないが低くない?リストラされるリスク高いと思うんだけど」
S「無能だったら即クビなイメージはある、そのかわり優秀だと待遇いいよね」
D「有能なら安定じゃん」
W「有能でも新事業とかで予測つかない状態で失敗したりとかありそう、挑戦意欲の低下ってやつ」
T「挑戦意欲は確かに下がるかも」
D「終身雇用のほうが下じゃない?言い方悪いけど年たてば給料増えんだよ」
S「挑戦意欲の低下→斬新な企画が生まれづらいのはありそう」
W「どっちでも低下しうるよね」
T「失敗の原因がやむを得ないものだった時の評価をきちんとしてくれるのであれば良いよね」
D「実力主義ならなにもしない人はリストラされるってことじゃないの、経営者の強い企業がいい上司を抱えやすくてのこるんだよ」
T「上がきちんと評価してくれないとやってられなさそう…」
W「それどっちにしてもあり得る話」
D「終身雇用じゃないアメリカ企業は買収とかチャレンジに意欲的でしょ、シリコンバレーは失敗とか気にしないじゃん」
W「あそこは転職環境がいいからでしょ」
S「転職がしやすいのは中途採用が盛んだからで、中途採用が盛んなのは首切りが普通にあるからで、親が先か卵が先か…」
T「儒教の国が年功序列になりがちは真?因果関係ある?」
D「わりとありそう、国民精神的に年齢上のやつになんかいえない」
W「年上を敬えって教えだから、そのまんまだ」
D「韓国は分からないけど、日本は薄れつつあるから変われることは変われる」
T「宗教観薄いもんね、日本」
S「だから日本は変われる余地はある」
S「ありはする、でもメリットデメリットとパワーバランスを考えると低いと言ったところ、既存の所はかなり変わりにくいかと。」
D「働き方がある程度は変わるだろうから上のものに絶対ではない、転職もできる、みたいな人が増えて、そしたら上司が変わる必要性も出てくる」
D「100人社員いて30人がそういうのだとして、昔は少数派だから解雇できたけどそんなに増えたら全員解雇するなんてできなくなる」
W「いまの会話見てると働き方改革は効果ありそうってみんな思ってるってことでいい?」
T「同一労働同一賃金やろうとしてるのはかなり評価できるかなと」
D「同一労働同一賃金と少子化解決は両立できないと思う、同一労働同一賃金に悪いことがあるわけじゃないけど」
W「なんで?お金もらえる人増えるよ。とくにパートやってる主婦とか」
S「非正規もそこそこ収入が得られれば、子育てに回せる金額が増えるから子育てしても良いと思う人増えると思った」
D「結婚してる夫婦の子供の数って30年前とかと大差ない、みんな働ける環境は良いけど結婚率の低下は招くと思う、しなくていいから」
D「昔の戦後とかの子供がたくさんいますとかって専業主婦でしかできないと思う」
W「子供一人の家庭でも共働きの家あるもんなあ、一人増えたら共働きでもきつそうかも」
S「最近の出生率低いのって未婚率が高いからって言われてるし、確かにそうかもね」
D「日本人の体質を変えるより上のものを今の段階は縛るべき」
T「法律で縛るのが難しそう」
S「定期的な監査?みたいなやつは今でもありそうだし…」
S「なんだろう、上司が強すぎてパワハラが蔓延するのを防ぐ方法みたいな」
N「なんか国会みたいにできないかなって」
S「弾劾ってこと?」
N「そんな感じの」
S「実現したら強力だね」
W「上司による悪影響を報告できてちゃんと捜査してくれる場所があればいいのかなあ、そういったハラスメントの報告する場はあるんだし」

ディスカッションの結果、終身雇用制度(年功序列制度)は改善されるべきだという結論となりました。しかし、今すぐ改革を行うことは困難だと予想されるため、人事評価の際には勤務年数よりも成果を重視するなど、労働形態の一部に成果主義の導入を検討するのが良いのではないかと考えました。

また、働き方改革は労働者間の格差の解消には一定の効果が期待できるものの、働き方改革の主旨の1つである少子化の抑制には繋がらないと考えました。