用語集
イタリアン
イタリアが原産のセイヨウミツバチの一種。蜜をたくさん集め、分蜂することが少なく、性格も穏やかだが、病気に弱いという欠点がある。現在、世界中で一番多く育てられている種類である。
王台
将来女王バチになる幼虫が育てられる部屋の名前。巣板の下の方に丸く作られ、サイズは通常の巣房よりも大きい。
下咽頭腺
ハチの頭部にある分泌腺。ローヤルゼリーなどを分泌する。内勤バチの体内で特に発達している。
参考: ミツバチの分子社会生物学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/34/12/34_12_793/_pdf
花粉かご
働きバチの足。太い毛が生えており、体についた花粉を集めてここに付けて巣に持ち帰ることができるのでこのように呼ばれる。
花粉団子
働きバチが、集めた花粉をこねて丸くしたもの。足の花粉かごに入れて巣に運ばれる。
キラービー(アフリカ化ミツバチ)
アフリカのミツバチと南アメリカで飼われていたミツバチの雑種。南アメリカに生息する。研究のために輸入されたアフリカのミツバチが逃走し、雑種化した。飼育されていたハチとも交尾をしており、南アメリカの養蜂場のハチはキラービー化している。非常に気性が荒く、キラービーによる死者も出ている。また、分蜂性が高い。プロポリスを多く作るという特色を生かした養蜂も行われており、ブラジルのプロポリス生産量は世界一である。
自家受粉
一つの花の中で受粉が行われること。自家受粉を行う花にはイネやインゲンなどがある。
受粉
(被子植物において)花の雌しべの先に花粉がつくこと。一つの花の中で受粉を行うものと、別の花の花粉で受粉を行うものがいる。
巣礎
人工的に作られる巣の型。これに沿ってミツバチは巣を作る。ミツバチが巣を作る上で必ずしも必要はないが、巣礎があることにより巣を作る効率が上がると言われている。
巣板
ミツバチの巣の中心部分。巣房を大量に作って板状にする。ミツバチの巣では縦に作られる。
巣房
ミツバチの巣の巣板上に作られる六角形の部屋のこと。直径4cm〜5.5cmほど。種によって異なる。
巣蜜
ミツバチの巣は食べることができる。木でできた巣の枠を巣の中に入れるとミツバチがそこにも巣房を作ってはちみつをためる。はちみつ専門店などに行かないと中々お目にかかれない珍しい商品である。
セイヨウミツバチ
他家受粉
別の花の花粉で受粉が行われること。多くの花は他家受粉をする。他家受粉をする花には、風で花粉を運ぶ風媒花、昆虫に花粉を運ばせる虫媒花などがある。
ニホンミツバチ
日本に生息するトウヨウミツバチの亜種。セイヨウミツバチよりも小さめである。蜜を集める量がセイヨウミツバチよりも少なく、分蜂や逃げだすことが多いので事業として育てられることは少ない。しかし、病気に強く性格が穏やかという特長から、最近の養蜂のブームの影響もあり、趣味での飼育数が増えている。巣から採れるはちみつの量は少ないが、味わいが濃厚といわれている。
プロポリス
セイヨウミツバチが巣の補強と抗菌のために巣に塗る物質の名前。殺菌力が強いため、健康食品として売られている。ブラジルでの生産が盛んである。ちなみに、ニホンミツバチはプロポリスを作らない。
分蜂
新しい女王バチが誕生する直前に、古い女王バチが働きバチを連れて巣を出ていくこと。分蜂したハチは、木の枝にぶら下がるなどして待機しながら、新しい家を探す。
マルハナバチ
ミツバチ科マルハナバチ属のハチの総称。 体はミツバチよりも少し大きい。ミツバチと同じく、女王を中心としたコロニーを地下に作るが、ミツバチほど規模は大きくない。春には一匹で冬眠から目覚めた女王が一からコロニーを作る。働きバチは全てメスで、秋の交尾の時期以外、オスバチは生まれてこない。冬になると女王バチは冬眠をし、それ以外は死滅する。ミツバチよりも低い温度で活動できるので、ミツバチが活動できない寒い時期の花粉交配に使われている。
蜜源
花の蜜や花粉が採れる場所。 ミツバチはダンスによって仲間にその情報を伝える。
蜜パン
花粉とはちみつを混ぜたもの。花粉の成分がはちみつの中の酵素により分解され、栄養の吸収がしやすくなる。幼虫も成虫もタンパク質を取るためにこれを食べる。
蜜蝋
ミツバチの巣板を溶かして精製したもの。ミツバチの巣板はミツバチ自身がお腹から出したろうで作られている。さなぎになる前の幼虫の巣房にふたをするのもミツバチが出したろうが使われる。
蝋腺
ミツバチのお腹にあるろうが出てくる腺。
ローヤルゼリー
女王バチの食べ物。生後3日までの幼虫は全員これを食べるがその後もローヤルゼリーを食べ続けるのは女王バチだけである。女王バチの寿命が長いのはローヤルゼリーの影響があると言われており、健康食品としても売り出されている。
ロシアン
ロシアが原産のセイヨウミツバチの一種。集める蜜の量はイタリアンほど多くはなく、性格があまり穏やかでなかったり分蜂が突然起きたりと扱いにくいが、病気に強いという特長がある。
参考文献
書籍
『生物事典』 旺文社、2011年
Rowan Jacobsen 『蜂はなぜ大量死したのか(原題 Fruitless Fall)』 文芸春秋、2009年
久志冨士男 『ニホンミツバチが日本の農業を救う』 高文研、2009年
堀江武『図解でよくわかる 農業の基本』 誠文堂新光社、2015年
渡辺孝『ミツバチの文化史』 筑摩書房、1994年
越中矢住子『ミツバチは本当に消えたか』 SoftBank Creative、2010年
フォーガスチャドウィック, スティーブオールトン, エマ・サラテナント, ビルフィツモーリス, ジュディー アール
『ミツバチの教科書(原題 The Bee Book)』 エクスナレッジ 、2017年
ホームページ
いずれも最終閲覧日は2020年1月5日
一般社団法人 日本養蜂協会 ホームページhttp://www.beekeeping.or.jp/
LIFULL HOME'S ホームページ
https://www.homes.co.jp/cont/town/town_00128/
銀座ミツバチプロジェクト ホームページ
http://www.gin-pachi.jp/owner
ウィキペディア 蜂群崩壊症候群
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9C%82%E7%BE%A4%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
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全国ローヤルゼリー公正取引協議会 ホームページ
http://www.rjkoutori.or.jp/knowledge/page/page_02.html
ミツバチの分子社会生物学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/34/12/34_12_793/_pdf
ミツバチの失踪とネオニコチノイド系農薬の関係 山田敏郎、日本奥山学会誌 2 (1), 16-32, 2014 https://www.researchgate.net/profile/Toshiro_yamada2
有機農業ニュースクリップ http://organic-newsclip.info/nouyaku/regulation-neonico-table.html