性暴力
性暴力の被害者は、特に女性の身分が低い場所で多い傾向があります。
例として、主にアフリカで女児を対象に行われている「女性性器切除」が挙げられますが、
これは英語にした時の頭文字をとってFGMと呼ばれます。
中でもスーダンはFGMの実施率が高い国の1つで、ユニセフの調査で15歳から49歳までの女性のうち87%がFGMを経験していることがわかりました。
アフリカの国々で慣習となっているこのFGMは少なくとも30か国で実施され、これを経験した女性の数は世界でおよそ2億人にものぼります。
FGMは感染症や出血により死亡する可能性があり、20か国以上で廃止宣言が出されていますが、 2500年以上続く宗教上の伝統であり、解決にはまだまだ時間のかかる問題です。
しかし今年6月、国際NGOプラン・インターナショナルは、
ソマリアでのFGM施術が増加したと発表し「影のパンデミック」だとして警鐘を鳴らしました。
原因は、そう、新型コロナウイルスです。
感染拡大に伴い学校が休校したため、この休校期間を利用してFGMを実施するケースが増加したのです。
また、経済の低迷によって収入のない人々が各家を訪問し、少女達にFGMの施術を行うことで、わずかばかりの報酬を得ているといいます。
またUNFPA(国連人口基金)によれば、この影響でFGM撲滅運動が6か月止まった場合、
今後10年でFGMを受ける少女が200万人増加する恐れがあるそうです。
そして、みなさんは「名誉の殺人」というものを知っていますか。
罪を犯すことに名誉なんてない。
普通そう思いますよね。
ですが、中東や南アジアではこの問題が多発しています。
このことに関する本も出ているほどなんです。
「名誉の殺人」とは、結婚前に肉体関係を持った女性をその家族が殺し、一族の名誉を回復すること。
「生きながら火に焼かれて」という本ではノンフィクションでこの事実を綴っています。
・FGMを経験した女性は25億人にも上り20カ国以上で廃止宣言が出されていますが、宗教上の伝統であるため、解決にはまだ時間がかかります。
また、新型コロナウイルスによる休校により、ソマリアでのFGMが増加したといいます。
・やはり宗教による伝統はなかなか変えられないと感じました。