水資源
このページでは、ファッション業界が大きな原因の一つとなっている、水に関する環境問題を2つに分けて紹介します。一つ目は水質汚染と水の大量使用、二つ目は洗濯などをする際に起こるマイクロファイバーの問題です。
水質汚染・水の大量使用
水質汚染の原因は二つあり、コットンなどの天然繊維を栽培する過程でリンや窒素化合物などが含まれた
化学肥料が使用されていることと、洋服に染色をする作業です。
水質汚染によって、水の中に住む生物の生きる場所や命を奪い、生物多様性・生態系を壊してしまい、その結果私たちにとっては水産資源の減少という形で影響が出ます。つまり、魚や貝などの海産物を手軽に食べることができなくなってしまうということです。
また、天然繊維の栽培と洋服を染色するときには、大量の水を利用します。なんと、服一枚当たりおよそ2,300リットルもの水を使用するそうです。これは浴槽11杯分の量です。
水の大量使用によって湖等が枯渇化してしまう危険性があります。
マイクロファイバー
これまでは、高価でも質の良いものを長い期間着用したいという思いから、主に綿や麻や絹などの自然素材が使われていました。
しかし、これらの繊維を作り出すために大量の殺虫剤や化学物質が使用されるという問題を解決するためや、安価に服を製造・販売するために、化学繊維を使って服が作られることが増えました。
この化学繊維は水に溶けにくく、化学繊維を使って作られた衣服の洗濯をする際に、とても小さなプラスチックの破片、すなわちマイクロファイバー(マイクロプラスチック)が流れ出し、それが海に流れてしまうということが問題となっています。
マイクロファイバーは衣服の洗濯から、年間50万トン流出していると言われています。
これらのマイクロファイバーは海に流出しても分解されず、小魚等が飲み込んでしまいます。その誤飲によって魚が死んでしまったら、そこから生態系が崩れてしまいます。
また、それらを捕食する大きな魚、大きな魚を捕食する鳥…というように食物連鎖によって最終的には人間にも悪影響を及ぼす可能性があります。
「いらすとや」から引用
衣服ロスが進んでしまった20XX年の世界の川が濁っていたのはこれらの問題の影響だったのです。