Section7. サポーター
パラスポーツには、選手達や大会を支える方々が沢山いらっしゃいます。
このページではパラスポーツを裏で支える職業についてまとめていきます。
実際にある職業
一概にパラスポーツを支える職業と言っても、競技の区分や運営方法によって沢山の種類があります。
義足や車いすなどを作る技術職や、競技において指揮したりアドバイスをする監督やコーチ、医療関係のスタッフ、事務手続きを担当したり、大会運営に携わるスタッフや通訳 等々、すぐに思いつくだけでもパラスポに関する職業は選手以外にも沢山あります。
パラスポーツに関わる職業に就くために必要なこと
スポーツの指導や技術職に関しては特定の資格が必要な場合が必要な場合があります。では、どんな分野ではどんな資格や知識が必要なのでしょうか。ほんの一部しかここでは紹介出来ませんが、是非見てください!
1.公認障がい者スポーツ指導者
障がいのある人のスポーツ参加を支援する中で、障がい者スポーツ指導者に求められる役割は年々大きくなっています。「公益財団法人 日本パラスポーツ協会」では、6種の指導者資格が設けられており、資格取得者の方がスポーツ指導や大会、教室、イベントのサポート等、沢山の場で活躍しています。 |
公認障がい者スポーツ指導者とは?
公認障がい者スポーツ指導者とは、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会及び加盟団体等が、公認障がい者スポーツ指導者制度に基づき資格認定する指導者のことです。日本国内の障がい者スポーツの普及と発展を目指し、障がい者スポーツのスポーツ環境を整備する上での専門的知識や技術を有する人材の養成、資質向上を目的としています。
上記にある通り、公認障がい者スポーツ指導者とは言っても、6種の資格があります。それぞれ取得方法や資格の内容は変わってきます。医学的支援を行う障がい者スポーツ医とトレーナー、コーチとでは選手との関わり方が全く異なります。
2.義肢装具士
義肢装具士とは、法律上で、「医師の指示の下に、義肢及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合を行うことを業とする者 」と定められています。義肢装具士法に基づく国家資格を持ち、リハビリテーションスタッフの一員として働く職業です。義肢とは、簡潔に言えば人工の手足のことになります。
上記の通り、義肢装具士国家試験を合格することによって与えられる免許が必要になります。
義肢装具士の仕事は、医師の指示のもとに、義肢・装具の装着部位の採型・設計・製作・からだへの適合を行い、患者のすみやかな社会復帰につとめることです。
患者ひとりひとりに最適なものを提供するため、装着部分の採型・採寸・補装具の制作・できあがった補装具の装着・適合・状態の調整・装着後のリハビリテーションを行います。
【類似した職業】車椅子の整備士の方にインタビューをさせて頂きました。詳しくは、「機材」というページへ
3.特別支援学校教諭
特別支援学校教諭とは、主に目や耳が不自由な子どもたちや、知的障害がある子どもたちのために設置されている特別支援学校や、小・中学校の特別支援学級で、自立支援教育や通常の学校に準じた教育を行う教員のことです。医師や関連施設の訓練士、心理相談員、栄養士などと連携しながら、子ども1人ひとりの障害の程度に合わせた学習・自立支援計画を立て、社会的に自立できるように指導しています。
特別支援学校教諭は、小・中学校の通常の学級に在籍するLD(学習障害)やADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症などの子どもたちにも適切な指導や支援を行います。
特別支援学校教諭になるには
特別支援学校教諭になるには、幼稚園、小学校、中学校、高校のいずれかの教諭普通免許状のほかに、特別支援学校教諭の免許状を取得することが原則となっています。具体的な方法として、
①大学で特別支援教育に関する専門科目を履修する
②幼稚園、小学校、中学校、高校のいずれかの教員免許状を取得後、教員養成系大学の特別支援教育特別専攻科などを修了する
③幼稚園、小学校、中学校、高校のいずれかの教員免許状を取得後、実務経験を積み大学等で単位を修得する・都道府県教育委員会などが実施する講習を受講して資格を取得する
これらの3つが主に挙げられます。
専門的な知識だけでなく、子供と根気強く接したり、保護者の方の悩みに対して教育的助言が出来るなど、沢山の能力が求められます。
4.作業療法士
作業療法士とは、「理学療法士および作業療法士法」に基づく国家資格のこと。OT(Occupational Therapist)と呼ばれることもあります。
作業療法とは、上記の法律の第2条2項に『身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること。』と書かれており、作業療法士は第2条4項にて『厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者』と位置づけられています。
作業療法士の働く場所は主に病院やリハビリテーション施設、社会福祉施設等があります。医師の指示のもとで、障害のある方に手芸や工作等、様々な活動を用いて、諸機能の回復・維持および開発を促す作業活動を通して治療、指導、援助を行います。
作業活動とは、日常生活活動、仕事、遊びなど生活に関わる全ての諸動作を指し示すものです。治療対象者によって行う作業活動は様々。どんな障がいをその人が持っているかによって合わせる必要があるということです。
作業療法士になるためには
①作業療法士養成校(4年制大学、3年制短期大学、専門学校)卒業者であること
②外国の作業療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で作業療法士の免許に相当する免許を得た者で、厚生労働大臣が認めたものであること
上記の①か②のどちらかの条件を満たしたうえで、作業療法士国家試験に合格し、作業療法士として登録することにより、作業療法士と名乗ることができます。
平成26年12月末現在の作業療法士登録者数は74,805人となっています。
保健・医療系の資格でかつ障がいと関わりのあるものは、上記の作業療法士以外にも、理学療法士、言語聴覚士(言語療法士)、視能訓練士などが挙げられます!
ここでは作業療法士を紹介しましたが、興味があればぜひ他の職業についても調べてみてください。
5.スポーツ栄養士
公認スポーツ栄養士は、スポーツ栄養の専門家であり、公益社団法人 日本栄養士会および公益財団法人 日本スポーツ協会の共同認定による資格です。 |
公認スポーツ栄養士になるには
・管理栄養士であること・公認スポーツ栄養士養成講習会を受講しようとする年度の4月1日時点で満22歳以上であること
・スポーツ栄養指導の経験があること、またはその予定があること
・日本スポーツ協会と日本栄養士会が認めた者
これらの申請資格が必要になります。
認定されるまでの流れは、
①日本スポーツ栄養学会が開催するスポーツ栄養ベーシックコース講習会を受講
②必要書類を準備して日本スポーツ栄養学会へ提出
③受講決定通知受領後、公認スポーツ栄養士養成講習会を受講(受講料がかかります。)
④共通科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ検定試験を受け、合格
⑤専門科目集合講習会を受講
⑥専門科目検定試験を受ける
⇒公認スポーツ栄養士に認定される!
様々な講習を受け、試験を合格しなければならないことから、この仕事に就くまでがとても大変だということが分かるかと思います。
参考資料
義肢装具士とは
https://www.japo.jp/about-prosthetist/aim-prosthetist.html
公認スポーツ栄養士|公益財団法人 日本栄養士会
https://www.dietitian.or.jp/career/specialcertifications/sports/
看護医療進学ネット-資格・職業を調べる-義肢装具士
https://www.ishin.jp/license/qualification/14.html
マナビジョン-特別支援学校教諭
https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/142/
作業療法士|福祉のお仕事
https://www.fukushi-work.jp/shikaku/detail.html?id=1&did=3
パラスポーツにかかわる仕事、どんな職業があるの?~競技や選手に直接関わる団体職員編~
https://www.parasapo.tokyo/topics/29199
パラスポーツにかかわる仕事、どんな職業があるの?~高度な知識や技術を生かして選手をサポートする専門スタッフ編~
https://www.parasapo.tokyo/topics/29328
「パラスポーツ パラリンピックを楽しもう ルールブック」 (書籍)
日本障がい者スポーツ協会・医学委員長 日本リハビリテーション専門学校校長 陶山哲夫 監修
コンデックス情報研究所 編著
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