男女格差
日本には多くの政治問題が存在しており、それぞれの問題の対処が急がれています。その中でも、ここでは、現代日本に存在する選挙に関する男女問題についてピックアップして解説していきたいと思います。
日本の政治問題として注目されるものの一つに、女性の活躍が他の先進国と比較して圧倒的に少ないことが挙げられます。日本の女性は議員立候補率が低く、これは世界経済フォーラムが公表しているジェンダーギャップ指数に大きく影響しています。
値の確認の前に、ジェンダーギャップ指数について触れておきます。ジェンダーギャップ指数とは、世界経済フォーラムが公表しているものであり、各国の男女格差を図る為の重要な要素となっています。その値は0から1の間で決定され、値が1に近いほど男女間の格差が小さく、逆に0に近いほど男女格差が大きいことになります。この値は教育分野、経済分野、政治分野、保険分野の四項目から判断され、それぞれの項目について審査員が厳正に判断した後、その平均値が総合値として公表されます。
下のデータは2021年の時点の日本のジェンダーギャップ指数です。日本のジェンダーギャップ指数は0.656、公表された総国数156ヵ国のうち120位となっています。それぞれのデータを確認してみると、経済分野で0.604、政治分野で0.061、教育分野で0.983、健康分野で0.973となっています。これは非常に低い値であり、特に政治分野の値は0.061と限りなく0に近い数値であり、この数値は総国数156ヵ国のうち147位と、先進国の中で最低の数値です。
ジェンダーギャップ指数から分かる通り、日本の政治分野での男女格差は日本が先進国であるという事実とは裏腹に著しく大きいです。この値を証明するように、日本の政治面の男女格差は女性議員の数や女性の首相がいないという事実などに現れています。例えば、下のグラフは2021年度の男女の衆議院議員数を表したものです。総数の中で、女性は全体の1割以下(9.9%)と、とても少なくなっています。
この現状の主な理由として、通称(旧姓)の使用が認められないこと、当選した際に家事や育児との両立が難しいこと、そして性別による差別やセクハラがあることが、内閣府の調査の中で挙げられました。通称の使用や、「女性は家事をすべき・女性は男性を支えるべき」といった偏見は政治面以外でも労働面などで問題になっており、早急な対応が必要です。性別による差別・セクハラはどのような理由があっても看過すべきではないことであり、日本のジェンダーギャップ指数が先進国の中で最低ランクと言われる最たる所以でしょう。
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