被選挙人の高齢化
日本は昔から、政治の場に女性を出すことを避けているかのように、男女間の議員の数に差が生まれています。しかし、差が存在するのは男女間だけではありません。若年層も同様に、知識や経験の少なさを理由に、議員となることが難しくなっています。この問題は、古くから日本の議会で問題になっていたものであり、諸外国との比較によって、一層深くこの問題を追究できると思われます。
今までで一番若い議員を比較すると、海外ではスコットランド独立党のマリ・ブラック氏が2015年に20歳という年齢でイギリスの国会議員となったのに対し、日本の国会議員となった最少年齢は、2000年に社民党公認候補として比例代表で当選した原陽子氏の25歳です。たかが5年と思われるかもしれませんが、この差は大きく、この差によって若年層の意見が政治に反映されるかが大きく変わってしまうとも言えます。自分たちの意見が反映されない若年層は政治への関心を失っていき、それによりまた若年層からの議員輩出が見送られる、という悪循環が生まれてしまうことも考えられます。
2021年度の国立青少年教育振興機構によるアンケートで、日本、米国、中国、韓国の高校生に「国内における政治や社会問題への関心」がどれほどあるか調査しました。生徒は国内の政治にどれほど関心を持っているかを、「とても関心がある」「まあ関心がある」「あまり関心がない」「全く関心がない」の四項目のうちから選びます。結果を見ると、日本は4カ国中下から2番目の64.5%となっており、あまり高い値とは言えません。他国や国家間の項目についても同じ結果となり、日本には政治に関心を持たない生徒が少なからずいることが分かりました。
一方で、ほとんどの生徒が政治に興味がないという訳ではありません。日本の高校生のうち64.5%の高校生は確かに政治への関心を持っていることも事実です。日本は他の国と比べて 政治や投票への参加を推奨するための授業やイベントが少なく、関心を持っていても理解ができていなかったり、いざ本番になったときに対応できないこともあるようです。しかし、これに対してはできることも多くあるでしょう。例えば、18位のスウェーデンは“12歳から模擬投票“を実施しており、実際の選挙と同日に、同じ候補者に投票します。さらに選挙前には、候補者が学校に演説にくることもあるそうです。ユニークな発想により、若い世代にも政治を意識してもらうことに重点を置いているようです。
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