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日本と海外

日本では、マグロは、「お刺身」や「寿司」「鉄火丼」「海鮮丼」のネタとして、生のものを短冊状に切り揃えた状態のものを使っている料理が多いです。日本と同じように新鮮な海産物が豊富なハワイの料理では、生のマグロのぶつ切りを使った「ポキ」という料理があります。一方、海外の多くの地域では、パスタやサンドイッチの具としてツナ缶を使ったものが多いです。そのため、海外の小売りでは、生の状態のマグロを売っているところはほとんど見られない一方で、ツナ缶の販売コーナーがとても充実していることが確認できました。

海外の方々は、生魚が苦手な人が多く、魚を生で食べるという習慣がないため、あらかじめ加熱調理されたツナ缶が主流であると思いました。実際に海外の方々に「普段食べているマグロ料理は何ですか。」と尋ねたところ、「これを使うことが多いよ。」と言って、ツナ缶を見せてくれたので、同じ食材であっても、食習慣の違いによって、料理方法に違いが生じているという点が大変興味深いと感じました。


イギリスのスーパーのツナ缶売り場
が現地で撮影)


日本のマグロの料理

   
寿司(クロマグロ)   丼(クロマグロ)   ステーキ(キハダマグロ)

海外のマグロの料理

   
パスタ(キハダマグロ)   サンドイッチ(キハダマグロ)   ポキ(ビンナガ)


海外の方へのインタビュー

2022年夏に海外に短期留学したメンバーや学校の友人にお願いして、留学先の国々(イギリス、カナダ、オーストラリア、アメリカ)の方に、それぞれの国でのマグロの食文化に関するインタビューを行ってもらいました。また、オンライン英会話レッスンの中でも、講師役の海外の方に対しても同様のインタビューを行いました。その結果、以下のような回答が得られました。

・イギリス、カナダ、オーストラリア、アメリカ、フィリピン、ハワイでは、マグロは食べられている。


・イギリス、カナダ、オーストラリア、アメリカは、マグロといえばツナ缶のものである。


・海が身近な島国であるフィリピンやハワイでは、切り身のマグロもスーパーなどで売られており、焼いたり、煮たり、生など様々な形で食べられている。


・アフリカの内陸の国であるウガンダでは、マグロは食べられていない。ウガンダでは、タンザニアやケニアとの国境にあるヴィクトリア湖や川の魚は食べられることがあるが、海の魚はほとんど食べられることがない。



消費の方法


出典:国別まぐろ類(カツオを含む)缶詰生産量の動向(1976~2018 年)(FAO 統計)(農林水産省 水産庁:https://kokushi.fra.go.jp/R03/R03_03_tunas-R.pdf

日本と海外のマグロの消費方法について、調べてみました。『国別まぐろ類(カツオを含む)缶詰生産量の動向(1976‐2018年)FAO統計』 を見てみたところ、マグロ類の缶詰生産量は日本は1988年ごろから次第に減少傾向にありますが、外国は1976年ごろから増加傾向にあります。

以上のことからも、海外ではマグロをツナ缶の状態で食べることが主流だと考えられます。この理由として、近年の世界的な健康志向の上昇や、ヒンドゥー教やイスラム教など宗教上の理由から獣肉を食べることができない方たちも食べることができるという点が関わっていると感じました。



マグロは好きですか?

本校生徒(芝浦工業大学柏中学高等学校、中1~高3の183人が回答)にも『マグロ料理は好きですか(寿司、ツナサンド、など)』という質問をしてみました。
「好き」と答えた生徒は、約8割。「嫌い」と答えた生徒は、5%以下でした。このことから、マグロ料理を好む人はとても多いという事が読み取れます。




様々な層からマグロ料理が支持されていることが分かりました。
食習慣の違いによって、同じ食材でも違う料理が人気なのがとても興味深かったです。



マグロクイズ (5)


クロマグロの英語名は?(答えを選んでクリックしてみよう)

bluefin tuna 正解!

生きているときは、背中やヒレが鮮やかな青色なので英語では「青いヒレ(bluefin)のマグロ(tuna)」と呼ばれます。
bigeye tuna 不正解!

これは、大きな目が特徴の「メバチ」のことです。
yellowfin tuna 不正解!

これは、ヒレや体側の鮮やかな黄色が特徴の背中の「キハダ」のことです。


参考資料

農林水産省 水産庁:国別まぐろ類(カツオを含む)缶詰生産量の動向(1976~2018 年)(FAO 統計)
  https://kokushi.fra.go.jp/R03/R03_03_tunas-R.pdf
  (最終確認:2023/1/7)





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