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はごろもフーズ株式会社


はごろもフーズ株式会社様に、海洋資源の保護について、お手紙で質問させていただきました。(回答日:2022年10月31日)

はごろもフーズでは、海洋資源の保護だけでなく、資源・エネルギーの有効活用、環境汚染の予防等による環境保全に努めると共に、生物多様性と生態系の保全や気候変動緩和への取り組みを積極的に推進し、地球環境に配慮した調達活動を行うことを方針に掲げ、取り組みを推進しているそうです。

シーチキンの原料であるマグロ・カツオを守るために、
・原料の100%使用(すべて使い切る)
・環境に配慮した漁法で漁獲した原料の使用推進
を重点課題として、取り組んでいます。


写真は、はごろもフーズのMSC認証のついた商品


Q1. 「原料を100%使用」の取り組みについて教えてください。

マグロの場合、一匹から「シーチキン」などの缶詰に使われる部分は全体の約45%です。その他は飼料や肥料、煮汁は調味料・健康食品・化粧品の原料へ有効に使い切ります。


出典:https://corp.hagoromofoods.co.jp/ja/sustainability/society.html

Q2. 現在、何種類のMSC認証商品がありますか。

海洋生物の取り扱い:マグロ・カツオの2種類

MSC認証商品:家庭用製品2製品 (カツオ製品)
       業務用製品2製品 (マグロ1製品、カツオ 1製品)

現在家庭用製品としては、MSC認証を取得したマグロ製品はありません。マグロはカツオに比べ魚価が高いため、今秋の新製品として、カツオ製品を新発売し、お客様の反響を踏まえて、マグロの製品化を検討いたします。


Q3. 海洋資源保護に対する取り組みやMSC認証商品等への消費者の反響はありますか。

「シーチキンSmileマイルド (MSC)」は、今秋より新発売のため今後の反響に期待しています。


Q4. 海洋資源保護に対する取り組みやMSC認証商品等に関して、苦労している点等はありますか。

MSC認証を受けた原料は、海洋資源保護を踏まえた手法のひとつですが、認証商品として販売するためには、製造過程で他の手法で漁獲した原料と混ざることなく製品化されるまで管理された製品であり、製造工程管理には注意を要します。また、世界のカツオ・マグロ類資源は、地域又は魚種別に5つの地域漁業管理機関によって全てカバーされています。そのため、漁獲量が制限され、魚価に影響が反映されるなど製造に苦労を伴いますが、漁獲企業から製造企業まで、WCPFCの管理に基づき、海洋資源の保護に努めています。


Q5. サステナブルな商品について、今後の展望や課題などを教えて下さい。

原料の100%使用に関しては、現在の取り組みを継続し、一本釣り製品やMSC認証取得製品の拡大は、お客様の支持が得られるかではなく、支持が得られるように、販促活動などを通じての階蒙活動が重要と考えており、お客様のご理解と支持が得られるよう努めてまいります。弊社では、皆様の貴重なご意見やご要望を参考に、また、可能な限り環境へも配慮しながら、これからも喜んでお使いいただける製品づくりに、さらに取り組んでまいります。


はごろもフーズ株式会社様、ご協力ありがとうございました。
原料として得られたマグロを余すことなく使い切ることは、限られた資源を守るために重要な試みであると思います。



参考資料

はごろもフーズ株式会社
  https://www.hagoromofoods.co.jp/





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