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今回は、芝浦工業大学システム理工学部福井教授にお話を伺いました!

Q1. 企業との共同開発に至った経緯を教えてください。
企業側は科学技術のノウハウを求めていますが、あまり大きくない企業が研究において人材を雇ったり新たな施設や機械などの設備を整えるのは膨大なコストがかかり難しいことです。 消費者は商品のエビデンスにも注目しています。研究者と共同することでデータがだせ、商品にエビデンスという付加価値をつけることができる上に、他の商品との差別化ができ、企業側としても大学などの研究者側からしてもコストパフォーマンスに優れているからです。

Q2. 実験において特に苦労した点や工夫したことはありますか?
通常の水と硬度が違うため、飲んだ時に明らかにわかってしまい、ブラインド実験ができないことです。エビデンスを確立させるためにマウスを使った支柱実験を1000回以上行ったのも大変でした。ただ、マウスを使った実験をしていく中で硬度200と硬度300でほとんど差はなかったため、硬度200の方が飲みやすいが他の商品と近くなってしまい、差別化のために硬度300を選びました。

Q3. 研究を通じて新たに気づいた海洋深層水の特性や可能性はありますか?
今は硬度の違いによる効果の違いがわかっています。ミネラルにはマグネシウムやナトリウムなど様々な種類があり、これから同じ硬度下でミネラルによる違いを明らかにすることで更なる付加価値をつけて、ブランド化していけたらと考えています。

Q4. 血清パラメーターが非投与マウスに比べて減少してるとのことですが、それは主にどのような成分が影響していると考えていますか?
一般的に売っている雪解けなどの天然水はカルシウムとマグネシウムが3:1の割合の微量のミネラルしかないのに対し、海洋深層水はマグネシウムが多く。微量のミネラルがあるためだと考えています。

Q5. 海洋深層水の利用において現状の課題や一般の肩への注意点があれば教えてください。
国の基準があるため、ミネラルウォーターの区分に入れないため、ミネラルウォーターと名乗れないのが一つの課題となっています。また、取水から分水、製造までに様々なコストがかかるため。販売において値下げ競争になると厳しいです。また、一般的な飲料メーカーでは工場を首都圏内などに作り輸送コストを抑えているのに対し、海洋深層水のバランスウォーターは高知県室戸市で製造しているため、輸送にも膨大なコストがかかることも課題となっています。

Q6. 海洋深層水やそれを利用した商品によって、その地域に売上や観光資源としての経済効果は見込められていますか?
長く飲み続けることで効果を見込めるため、観光目的の製造ではないが、高知県内ではテレビCMが放送されているなどそれなりに販売はできています。CMに大学名も出ているため、大学にも貢献しています。バランスウォーターを製造することで、ペットボトル会社や段ボールや配送業などの利益にもつながっています。


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