海洋深層水利用学会様への取材

海洋深層水利用学会について

海洋深層水利用学会は、1997年に「海洋深層水利用研究会」として設立され、2006年に「海洋深層水利用学会」へ改称しました。

伺ったお話

今回は大塚耕司さん(第3代海洋深層水利用学会会長)と高橋正征さん(第2代海洋深層水利用学会会長)にお話を伺いました!
<昔と比べ、世間や研究者での意識の変化>

Q1.1997年に海洋深層水利用学会ができてから(現会長は2020年から)世間や研究者での意識の変化はありましたか。
A1.1990年代、海洋深層水は魔法の水、よくわからないけどすごい!みたいなイメージからブームが起きました。
科学的証拠がない噂だけが独り歩きし、事実ではない噂も出回ってしまいました。利用学会はもっと科学的根拠がしっかりしている事実を知ってほしいと感じていたそうです。
最近は研究が進み、科学的根拠がだいぶ増えてきたとにより正確な情報を伝えることができるようになりました!
特にインフラとしての使い方に着目され、1990年代とは別のブームが起こっています。

<海外の研究者と連絡を取ったり、協力して研究しているのか>

Q2.海外の研究者と連絡を取ったり、協力して研究したりしていますか。
A2.台湾、韓国、ハワイと毎年交流を行っています。
シンポジウムや発表会では研究の成果を共有したりしています。

<今後、どのように海洋深層水を利用したいか>

Q3.今後どのように海洋深層水を利用していきたいですか。
A3.海洋深層水は水にも食品にもエネルギーにも活用できるので、人間の生存に関わるインフラとしての利用を考えています。商品としてではなく、人々を救うためのインフラとしての利用が大事です。

<今最も注目している研究>

Q4.今最も注目している海洋深層水の研究はなんですか。
A4.<大塚さん>
今はエネルギーや水が必要とされています。なので、まさに久米島みたいに多段階に海洋深層水を利用する研究が必要だと思います。
<高橋さん>
日本ではほとんど進んでいない、冷たい温度の利用です。
なぜ大事なのか?現代の社会では温暖化が進んでいることに伴ってエネルギーの約7割を冷却することに使っています。もし海洋深層水をうまく利用できれば、海洋深層水はもともと冷たいから、冷却に使うエネルギー(電気)を減らすことができます。
海洋深層水は北極南極で冷やされた水が流れてくるから冷やす必要がないのです。
関東では1年のうち約半分の時期で冷房を使用しています。電気のほとんどは冷却するために使われるので、あくまで理論上の話ですが、もし海洋深層水を使って部屋を冷やせば電気代を95%もカットすることができます!

<若い世代に使えたいこと>

Q5.若い世代に伝えたいことはなんですか。
A5.海洋深層水は水にも食品にもエネルギーにも利用できるすごいものだよ!ということを知ってほしいです。
海洋深層水は大事なんだんだよ、すごいんだよということを小さい頃から知ってほしいので小さい子に面白く、簡単に海洋深層水についてわかってもらえる工夫をしています。
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