海洋温度差発電

久米島モデルのページでも紹介したように、沖縄県海洋深層水研究所内にはたくさんの海洋深層水を利用する施設があります。そのうちの一つに、深層水を使って発電する施設があり現在も稼働し発電を行っています。
ですが、海洋温度差発電と聞いてもピンとこない方も多いと思います。このページでは以下の「海洋温度差発電実証実験設備」、「海洋温度差発電の仕組み」、「海洋温度差発電に使った海水の再利用」の3つに分けて説明していきます!

海洋温度差発電実証実験設備

沖縄県海洋深層水研究所内にある海洋温度差発電実証実験設備で実際に発電が行われています。


左の写真が実際に海洋温度差発電を行っている施設で、右の写真が表層水や汲み上げた深層水を実際に触ることができる水道です。
表層水と深層水を触ってみると、深層水は夏だとは思えないほど冷たかったです!深層水は、夏場でも約10度ほどだそうです。 ちなみに、海洋深層水研究所内には冷房がなく深層水に風を当てることで冷房の代わりとしているそうです。
タヒチのホテルでは、このように利用することで90%も電気代を削減できたそう。

海洋温度差発電の仕組み

海洋温度差発電は、名前の通り海水(表層水¹と深層水)の温度差を利用し発電する方法です。 下の図を使って説明します!

① 暖かい表層水を使って液体を沸騰させます。
② ①のときに発生した蒸気を利用してタービンを回し、発電します。
③ タービンを回すのに使用した蒸気を冷たい深層水で冷却し、再び液体に戻します。
④ ③で液体に戻したものを再び利用して発電を行います。

このように、一度使った液体を半永久的に使い発電することができます。
海洋温度差発電は表層水と深層水の温度差が大事なので、現在久米島ではGW〜11月にかけて海洋温度差発電を行っています。(寒い時期は表層水の温度が下がってしまい発電の効率が悪いので、この時期に行っているそうです。)

※注1 表層水
表層水とは、上の図のように海面に近く太陽の光が良くあたり暖かい海水のことを指します。
夏場は深層水と比べて、20度ほど暖かくその差を海洋温度差発電に利用しています。

海洋温度差発電に使った海水の再利用

液体を温めたり冷ましたりするのに使われた表層水と深層水は、クルマエビや海ぶどうの養殖にも利用されています。(詳しくはをご覧ください)
表層水は、液体を温めるのに熱を奪われ発電に利用する前より温度が低くなります。逆に、深層水は液体を冷やす際に熱をもらい発電に利用する前より温度が高くなります。
このようなことを活かして、海洋深層水研究所内ではクルマエビや海ぶどうの養殖に海洋温度差発電で利用した海水(表層水と深層水)を再利用しています。

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