1.インターネットの発展と犯罪
私たちの生活は今、インターネットやSNSを通じて、とても便利で繋がりやすいものになりました。
しかし、その一方で「サイバー犯罪」と呼ばれる新しい形の犯罪も増え続けています。
サイバー犯罪とは、簡潔に説明すると、インターネットを利用して行われる不正アクセスや、情報の盗み取り、詐欺、誹謗中傷など、
情報通信技術を悪用した犯罪行為を指します。
実際に、SNSでのなりすましや偽サイトによる詐欺、パスワードの不正利用など、誰もが被害者になり得る時代です。
このページでは、サイバー犯罪の定義や種類について解説していきます。
1.1 サイバー犯罪の定義
サイバー犯罪とは、コンピュータやインターネットを介して行われる犯罪の総称です。主に3つの種類に分類されています。
- コンピュータもしくは電磁的記録を対象とした犯罪
- コンピュータネットワークをその手段として利用した犯罪
- 不正アクセス禁止法違反
1.2 サイバー犯罪の種類
サイバー犯罪の種類としては、次のようなものがあります。あわせてそれぞれの特徴についても解説していきます。
・不正アクセス
他人のID・パスワードを使用して、権限のないアカウントやコンピュータに不正に侵入する行為。
- SNSやオンラインゲームのアカウント乗っ取り
- 企業サイトにおける内部への侵入
- パスワードリスト攻撃
・コンピュータウイルス
他人のコンピュータにウイルスやマルウェアを作成・感染・拡散させる行為。
- ランサムウェア
- トロイの木馬、スパイウェア
- メールにウイルスを添付して送信する行為
・データの改ざん
コンピュータ内のデータや記録を不正に改ざん・削除・偽造する行為。
- 売上データのシステム改ざん
- 会社や学校の勤怠記録の偽造
- 他人のSNS投稿を改ざんし、拡散
・ネット詐欺
インターネットを利用し、金銭や個人情報をだまし取る行為。
- フィッシング詐欺
- 架空請求電話・メール
- フリマサイト詐欺
・誹謗中傷
SNSや掲示板などで他人を中傷したり、個人情報や写真を無断で公開する行為。匿名性を利用した場合が多い。
- SNSでの誹謗中傷
- 個人情報の拡散
- 嫌がらせ目的の投稿
・著作権の侵害
他人が作成した音楽・映像・画像などの著作物を許可なく配信・ダウンロード・再投稿する行為。
- 映画や音楽、漫画を違法サイトにアップロード
- 他人のイラスト、創作物の無断転載
- 著作物を掲載した状態でのストリーミング配信
・サイバーテロ
企業・行政機関・社会インフラを狙って大規模な攻撃を行う犯罪。
- 政府機関や企業への大規模サイバー攻撃
- ランサムウェアでの身代金要求
- DDoS攻撃
サイバー犯罪の種類も多様化してきており、注意するべき内容や対策の方法がさらに複雑化し、対応が難しくなってきています。
1.3 よくある手口
犯罪行為でよく使われる手口として、以下の3つがあります。
1. フィッシング
銀行やSNSを装ったメールで「ログイン確認」「支払い情報の更新」を促す。 リンク先は偽サイトになっており、送信した個人情報や口座情報がだまし取られる。
見分け方
- 差出人メールアドレスの確認
- 「今すぐ」や「24時間以内に〜」など、緊急性を煽った表現が使われている
2. マルウェア
ウイルスやワーム、トロイの木馬などの有害プログラムを端末に感染させ、個人情報を盗み取ったり重要情報の暗号化を行う。
見分け方
- PCやスマホの動作遅延、クラッシュの頻発
- 不審なネットワークへの接続
3. ディープフェイク・AI活用
有名人などになりすまし、合成音声や合成映像(ディープフェイク)で人を騙す、またAIを使って大量の偽情報を作る手法。
見分け方
- 音声や映像の細部確認
- 重要な決定を簡潔に下さない
- ヒューマンレビュー
特に3つめのディープフェイク・AIは近年発展してきた技術を悪用した犯罪で、AIの技術向上により見分けるのが難しくなっています。
1.4 サイバー犯罪に関連する法令
サイバー犯罪を行った場合に違反する法令について、種類別でまとめていきます。
不正アクセス
- 不正アクセス禁止法
- 刑法(電子計算機使用詐欺罪など)
コンピュータウイルス
- 刑法第168条の2(不正指令電磁的記録作成罪)
- 刑法第168条の3(同供用罪)
データの改ざん
- 刑法第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害罪)
- 刑法第161条の2(電子計算機使用詐欺罪)
ネット詐欺
- 刑法第246条(詐欺罪)
- 特定商取引法
- 消費者契約法
誹謗中傷
- 刑法第230条(名誉毀損罪)
- プロバイダ責任制限法
- 個人情報保護法
著作権の侵害
- 著作権法第113条(侵害行為)
- 不正競争防止法
サイバーテロ
- 刑法(電子計算機損壊等業務妨害罪など)
- 不正アクセス禁止法
- 国際刑事共助法(海外組織との連携時)
