QUIZ:上級編
1問目
このグラフはあるウイルス感染者数の推移を表している
このグラフから最も妥当な読み取りはどれか。
解説
正解:B 対数スケールでは、数値が「比率(割合)」で変化しているものを直線的に表現できる。 直線に見えるからといって “毎日同じ人数だけ増えている”(A)は誤り。実際には “一定割合ずつ増えている” 可能性が高い。 C はスケール混同。線形スケールで見ると “ゆるやか” に見えても、対数で見ると急成長を隠せている場合がある。 D は “対数 = 増加が鈍化している” という誤解。対数表示は増加を小さく見せるが、それは鈍化ではなく “比率の変化を表現している” だけ。
2問目
これは、国別 “スマホ保有率(%)” と “交通事故死者数(人口100万人あたり)” の散布図である。
最も妥当な結論はどれか。
解説
正解:B 相関関係が見えていても、因果関係を断定できるわけではない(相関 ≠ 因果)。この点は統計リテラシーの基本とされる。 このような散布図では、**交絡因子(第3因子)**が関係している可能性が高い。たとえば交通安全政策、経済発展度、車の安全性などが両方に影響を与える。 A・C・D は因果を過度に主張・断定しており、安全な結論とは言えない。 よって最も妥当なのは B:「相関を認めつつ、因果を判断するには慎重になり、他の要因を考えるべき」。
3問目
これは、月別で「気温(℃)」と「アイスクリームの売上(千円)」を二軸グラフで示している。
提示されている内容だけで判断すると、どれが最も問題になる読み方か。
解説
正解:B グラフで一部の期間(夏)だけを 強調表示 することで、視覚的バイアスがかかる。 この手法は “重要な部分だけを強調して全体をゆがめて見せる” ミスリーディングの常套手段。 C・D は因果関係を過度に断定しており、統計的には根拠が不十分。 A も誤り。拡大表示によって他の月の変動が軽視され、年間全体を俯瞰する力が妨げられる。
4問目
ある会社員の月間残業時間データがあり、「平均残業時間は月 5 時間」と報告されている。上のグラフは残業時間と人数の関係を表すヒストグラムである。
解説
正解:B 平均値は “極端な値(アウトライヤー)” によって簡単にゆがめられる。 0時間の社員多数 + 100時間超の少数という分布では、中央値(典型値)を見たほうが “多くの社員の実態” に近い。 報告書で平均だけ強調するグラフは、視覚的ミスリーディングになりやすい。 C は統計報告として不十分。D は母数の問題だが、最も強力な批判は “分布を伴わない平均の提示” である。
5問目
時系列グラフで「AI導入率(%)」と「失業率(%)」を並べて示している。
このグラフから「AI導入が失業率低下を引き起こした」と結論づけるのはなぜ危険か。最も適切な理由を選べ。
解説
正解:D 単純に “AI導入 → 失業率下がる” という一方向の因果をグラフから読み取るのは危険。 実際には フィードバックループ があり得る(例:失業率低下が企業に余裕を与え、さらにAIを導入 → その結果さらなる低下、など)。 また、他因子(教育の進展、経済成長、政策変動など)が両方に影響を与えている可能性が高い。 単純な時系列グラフだけではこうした複雑な相互作用を示さないため、因果を断定するには不十分。