一寸法師注釈集 |
一寸法師原文の注釈集です。分からなかった単語はどれくらいありましたか?
原文からラベルで飛ぶようになっています。
語 | 意味 | |
一寸法師 | いっすんぼうし。 江戸初期の御伽草子の短編。身長約三センチメートルの小さな男児。両親が住吉神社にお願いして授かった「申し子」と呼ばれる生まれながらにして普通の人間とは違う特別な力と運命をそなえた子供の話。日本の昔話には、指太郎や五分次郎(一寸法師の半分の身長)、豆蔵などというとても小さな男児が、勇気と工夫で困難を乗り越えて立身出世をとげる「小さ子」の話がある。一寸法師の話もそうした物語のひとつ。 |
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中ごろ | なかごろ。それほど古くない頃 | |
津 | つ。地名。滋賀県の辺り。 | |
難波 | なにわ。滋賀県内の地名。琵琶湖の付け根辺り。 | |
おほぢとうば | おじいさんとおばあさん | |
侍り | はべり。居た。おった。(過去形という訳では有りません。) | |
住吉神社 | すみよしじんじゃ。 一寸法師に出てくるおじいさんとおばあさんがお参りした神社。もと摂津の国の一の宮であり、現在大阪府大阪市住吉区にある。伝説では神功皇后の創建といい、国家を守る軍神、公開の安全を守る神、和歌の神、子宝を授かる神として古くから広く信仰されてきた。 |
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申す | もうす。言う。述べる。 | |
あはれ | あわれ。かわいそうに | |
おぼしめす | 思う。思召すと書く。 | |
いつくしき | かわいい | |
まうける | もうける。つくる。 | |
一寸 | いっすん。約3cm(親指よりも小さいのです)の長さ。 | |
経る | へる。時間が過ぎる | |
ひとならず | 人ではない。人のようではない。 | |
ただもの | 普通の者ではない。普通の人ではない。 | |
あさまし | 驚きあきれる。 | |
たたならずなりぬれば | ただごとではない | |
やがて | そのまますぐに | |
ふびん | 気の毒。不憫と書く。 | |
かやう | かよう。このような。こんな。 | |
候ふ |
そうろう。〜なさる。〜になる。〜でいらっしゃる。 | |
報い | むくい。報復、仕返し。 | |
給はる | たまわる。いただく。もらう。〜なさる。 | |
いづ方 | いずかた。どこか。 | |
よし | 理由。事情。 | |
承る | うけたまわる。了承する。認める。承知する。 | |
口惜しい | くちおしい。悔しい。残念である。 | |
請給ふ | こいたまう。いただきたいと欲する。貰いたいと頼む。 | |
柄鞘 | つかさや。刀の柄(つか)、鞘(さや) | |
御器 | ごき。うつわ。おわん。 | |
縁 | えん。縁側。ベランダのようなものです。 | |
召す | めす。着る。身に付ける。(ここでは靴を履くということ。) | |
逸興 | いっきょう。面白い。変わった。 | |
げに | 実に。 | |
「人生わずか五十年」 | このことわざは昔の人の一生の短いことのたとえ。つまり、一寸法師に出てくるおばあさんは四十一歳で高齢出産であった。また、平安時代以降、男子は十二〜十六歳で元服(服を大人用のものに改め、髪を結い上げて冠をかぶり、幼名を実名に変える)して成人となったことが認められた。女子も十二〜十五歳で髪上げ(少女時代の垂れ髪を結い上げ、裳をつける)して成人となった。つまり一寸法師も宰相の姫も結婚してもよい年齢に達したわけである。 | |
おはします | いらっしゃる | |
御かたち | おんかたち。容貌。すがたかたち。 | |
思ひ | 好きになる | |
女房 | にょうぼう。妻。奥さんのこと。 | |
臥す | ふす。眠る。寝る。 | |
謀(事) | はかりごと。計画。策略。 | |
偽り | いつわり。間違い。嘘。 | |
とどむ | とどめる。とめる。 | |
鳥羽 | とば。地名。 | |
きやうがる | きょうがる。気味の悪い。 | |
四条五条 | しじょうごじょう。都の、道。道の名称。 | |
うちまきの米 | 邪神・悪神のたたりをはらうときに、まきかけるための米。または神前に供えるために用意された米。つまり、一寸法師にとって大切なもの。 |
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失う | 死ぬ。ここでは殺すこと |
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風情 | 様子 | |
とく | 早く。ここでは「早く早く」と急かしている。疾く、と書く。 | |
とやせんかくもせん | ああしようかこうしようか | |
おぢをののく | おじけづいて。しりぞく。 | |
打出の小槌 | うちでのこづち。打てば何でも欲しい物が出たり、願いが叶ったりという宝の小槌。鎌倉〜室町時代の他の古典文学にも、鬼が持つ打出の小槌が出てくる。室町時代に盛んとなった大黒(七福神の一人で、大黒天のこと)信仰の反映がみられる。 |
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しもつ | 鞭、ムチ。むちのこと。 | |
乾 | いぬい。北西の方角。 | |
濫妨 | らんばう。打つ。 | |
やうやう | ようやく。しだいに。 | |
黄金、銀 | こがね、しろがね。金銀財宝のこと。 | |
内裏 | だいり。宮中(帝が住むところ) | |
参内 | さんだい。宮中へいくこと | |
いやし | 卑しい。いやな。 | |
讒言 | ざんげん。嘘のうわさ。 | |
流され人 | ながされびと。昔、罪のある人は自分の住んでいたところから遠く離れた場所へ移された。その人。 | |
殿上 | てんじょう。部屋の中で、大王の居る場所。その部屋へ呼ばれたという意味。 | |
おくる | 取り残される。死に遅れる。 | |
めでたし | (愛する気持ちがはなばなしい)立派 | |
かしづく | 大事にする。かわいがる。 | |
若君 | わかぎみ。お子様。若様。 | |
よろづ人 | よろずびと。たくさんの人 | |
いみじ | 1.ひどく悪い 2.ひどく(大変) 3.大変良い | |
よもあらじ | よもやあるまい。 |
単語の意味、分かりましたでしょうか?全く古文に触れていない皆さんのため、簡単な言葉から並べたつもりです。
古文単語はこれ以外にも非常に沢山ありますが、現代語と同じ表現もあれば、同じでも意味が違うものなどもあって、面白いですね。