被害

直接的に発生する現象と災害

火山ガス(被害大、長期)

風により広範囲に拡散されていますが、風の少ない時などには火口付近や谷地形の底部、 凹地などに長期間停滞することがあり、強い臭いがします。

噴石(被害大、広域)

火山噴火時に岩の欠片などを噴出することです。

噴出物の中でも64o以上の大型のものを火山岩塊(かざんがんかい)、2〜64o以上の中型のものを火山礫(かざんれき)、2o以下の小型のものを火山灰と言います。
また火山岩塊の中でも特徴的な形や内部構造を持つものを火山弾と呼びます。

火山灰の降下(被害大、広域、長期)

火山灰は湿ると強い酸性を示し、密度は1.0を超えます(1uあたり10pの厚さで100s超)。したがって、直接火山灰を被った植物や農作物が枯死したり、重みに耐えられなくなった家屋が潰れて人が下敷きになったりするなど、多様な被害が広域で発生します。また、昔は細粒の火山灰が成層圏を漂い、一時的に日射量を減少させ、飢餓が発生するなどしていましたが、最近では避難・救助体制が整備されたため、飢餓による死者は減少しています。

一方近年では、火山灰がジェット機のエンジンに入り込み、エンジンを停止させる事例や、 電波障害などのIT機器への影響、高速道路・鉄道・空港などへの影響による、20世紀型の経済活動への被害が懸念されています。

火砕噴(被害大

溶岩の欠片や火山灰などの固体やガスが空気と共に重力で移動する本体部と、そこから発生する細粒物質や火山ガス、水蒸気によって構成された熱雲ねつうん部の二層構造からなります。また、本体部と雲部は異なる運動をしていて、さらに、本体部の流下距離は崩壊した溶岩量に比例することが判明しています。

火砕流は一般的に高温(400〜1000℃)、高速(35m/s〜100m/s)です。

火山泥流(被害大、広域)

火砕流や火山噴出物の熱で融けた雪や氷が火山堆積物を巻き込んで泥流となったものです。火口湖の水が噴火と共に飛び出して火山泥流となることもあります。

流れやすい流体であり、移動速度が速いため、発生した量によっては広域に影響を及ぼします。

溶岩流(被害小

マグマが火口から流れ出して地形的に低い所へ流下し、それが固まったときの最大の高さを堆積長で割った値(アスペクト比)が1/8以下のものを言います(1/8を超えたものは溶岩ドームと言う)。

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