崩壊


放射線が出る仕組みにもいろいろあります。 その中の「α崩壊」と「β崩壊」について紹介します。
  

α崩壊


α崩壊とは放射性原子核がα線を出しながら崩壊して、より安定な原子核に変わることをいいます。
α粒子は、陽子2個と中性子2個を合わせた質量数が4のヘリウム原子核です。
なので、α崩壊を1度起こすと原子番号が2減少するためにほかの種類の原子へと変わります。
例えば、
質量数232のトリウムは、α崩壊を1回起こすとα粒子が1個放出されるので、
質量数が228のラジウムへと変化します。
α崩壊を起こす元素は崩壊系列の中においても限られています。
  

β崩壊


β崩壊とは放射性原子核がβ線を出しながら崩壊して、より安定な原子核へと変化することをいいます。
このとき原子核内部では、中性子が電子とニュートリノを放出して陽子に変わる、という変化が起きています。
β崩壊では、α崩壊と違って質量数が変化せず原子番号は1つ大きくなります。

β崩壊する例としては、
質量数228のラジウム元素が1回β崩壊すると、
質量数が同じ228のアクチニウム元素へと変化します。
β崩壊する元素も限られているのです。

   ※ニュートリノ…電子の仲間で電気を持たない粒子