被曝


人間が放射線を受けるとき、身体の外側から受けるのと内側から受けるのとでは影響の出方に違いがあります。
「外部被曝」と「内部被曝」のそれぞれの特徴を紹介します。
  

外部被曝


皮膚などに放射性物質がついたときに、人体がそれからの放射線の影響を受けることを外部被曝といいます。 しかし、内部被曝と違って外部についたものなので、洗い流したり、取ってしまえばそれで影響は受けなくなります。

外部被曝の代表例としてはX線などが挙げられ、現在の外部被曝の主な原因は自然放射線と宇宙からの放射線です。

受ける放射線の量と種類は、住んでる場所や土壌によって違ったり、住んでいる場所の標高や緯度に
よって違います。洞窟などの岩石に囲まれた場所では放射性物質が多く検出され、反対に海などの水
がたくさんある場所では放射性物質が少ないのです。(『自然放射線』参照)
外部被曝を減らすには、放射線が多いとわかっている場所に近づかないことが重要ですが、内部被曝
のことも考えると色々と対策は必要です。

最近では「はかるくん」のような放射線計測器でγ線やβ線などを簡単に測れるようになりました。

  

内部被曝


呼吸や飲食によって臓器や骨などの身体内部に放射線物質が溜まり、その放射線を受けることを内部被曝といいます。 いずれは排出される分もありますが、排出されるまでしばらく時間がかかるのでその間は被曝し続けることになるのです。

例えば放射性ヨウ素131は甲状腺に溜まり、ストロンチウムは骨、セシウムは筋肉や血などに溜まりやすいことがわかっています。

ここで懸念されることは、それぞれの放射線物質が組織に溜まることによってガンなどの症状が出やすいのです。
先ほど説明したストロンチウムは骨に溜まりやすいので、骨髄や造血作用のある器官が攻撃されるために白血病などが心配されます。 ですが、放射性物質には「半減期」というものがありますから内部被曝の量は時間によって減少していきます。

体内は複雑な動きをしていますから、正確に内部被曝の放射線量を測定したくても簡単にはわからないのですが、最近では体内の放射線量も予想がつくように研究がどんどん進められています。
また、ホールボディカウンターという内部被曝量を体外から測定する装置も使われます。