身近な放射線
放射線の実験―測定編―
「はかるくん」で放射線を測定しよう
「はかるくん」は、ガンマ線をはかる測定器で、日本科学技術振興財団から貸していただきました。
◎測定1:校舎の周りの放射線
測定場所 | 測定結果 |
・屋上 | 0.028マイクロシーベルト/時 |
・教室(4F) | 0.028マイクロシーベルト/時 |
・生徒ホール | 0.037マイクロシーベルト/時 |
・廊下 | 0.056マイクロシーベルト/時 |
・地下格技場 | 0.042マイクロシーベルト/時 |
・ゴミ捨て場 | 0.054マイクロシーベルト/時 |
・玄関 | 0.045マイクロシーベルト/時 |
・プール | 0.012マイクロシーベルト/時 |
・駐輪場 | 0.042マイクロシーベルト/時 |
・グラウンド(草地) | 0.036マイクロシーベルト/時 |
・グラウンド(土) | 0.030マイクロシーベルト/時 |
・公園 | 0.027マイクロシーベルト/時 |
・道路(アスファルト) | 0.022マイクロシーベルト/時 |
・コンビニ | 0.028マイクロシーベルト/時 |
◎測定2:測定試料を使った放射線の測定
船底塗料(添加剤)、花崗岩(御影石)、湯の花、カリ肥料、塩など、身近なものから放射線がどれくらい出ているかを測定しました。
○測定結果
船底塗料(添加剤)・・・1.401マイクロシーベルト/時
花崗岩(御影石) ・・・0.089マイクロシーベルト/時
湯の花・・・・・・・・・0.124マイクロシーベルト/時
カリ肥料・・・・・・・・0.085マイクロシーベルト/時
塩・・・・・・・・・・・0.093マイクロシーベルト/時
○測定試料について
船底塗料(添加剤):船の底にフジツボなどの貝類や海草が付着するの
を防ぐために塗料に添加する材料です。この添加剤から出る放射線はイオン
を作り、微生物や海草を寄せつけません。
花崗岩(御影石):お墓の石や敷石、記念碑などの建材によく利用されている岩石です。
湯の花:ラドン温泉の一つである多摩川温泉の湯の花です。その中には放射性物質が含まれていま
す。
カリ肥料:植物を育てるためには肥料が必要です。「窒素、リン酸、カリウム」は肥料の三大要素とも
いわれ、特にカリウムは野菜の成長を助けます。放射線はそのカリウムの中のカリウム40
から出ています。
塩:一般に「塩」というと塩化ナトリウムを指しますが、高血圧の方のために塩分を控える目的で代わ
りに塩化カリウムを使うことがあります。放射線はそのカリウムの中のカリウム40から出ています。
この試料の塩は、塩化ナトリウムと塩化カリウムが半分ずつ入っているものを利用しています。
○測定結果
船底塗料(添加剤)・・・1.401マイクロシーベルト/時
花崗岩(御影石) ・・・0.089マイクロシーベルト/時
湯の花・・・・・・・・・0.124マイクロシーベルト/時
カリ肥料・・・・・・・・0.085マイクロシーベルト/時
塩・・・・・・・・・・・0.093マイクロシーベルト/時
○測定試料について
船底塗料(添加剤):船の底にフジツボなどの貝類や海草が付着するの
を防ぐために塗料に添加する材料です。この添加剤から出る放射線はイオン
を作り、微生物や海草を寄せつけません。
花崗岩(御影石):お墓の石や敷石、記念碑などの建材によく利用されている岩石です。
湯の花:ラドン温泉の一つである多摩川温泉の湯の花です。その中には放射性物質が含まれていま
す。
カリ肥料:植物を育てるためには肥料が必要です。「窒素、リン酸、カリウム」は肥料の三大要素とも
いわれ、特にカリウムは野菜の成長を助けます。放射線はそのカリウムの中のカリウム40
から出ています。
塩:一般に「塩」というと塩化ナトリウムを指しますが、高血圧の方のために塩分を控える目的で代わ
りに塩化カリウムを使うことがあります。放射線はそのカリウムの中のカリウム40から出ています。
この試料の塩は、塩化ナトリウムと塩化カリウムが半分ずつ入っているものを利用しています。
◎測定3:距離の実験
船底塗料(添加剤)を使って、距離による放射線の量の違いを確認しました。
○結果(バックグラウンドを除いた正味の値、以下同じ)
・距離 5cm・・・0.557マイクロシーベルト/時
・距離10cm・・・0.202マイクロシーベルト/時
・距離15cm・・・0.087マイクロシーベルト/時
・距離20cm・・・0.041マイクロシーベルト/時
距離5cmを基準にして他のデータを比較すると
距離10cm=2倍・・・(0.202/0.557)=(1/2.76)
距離15cm=3倍・・・(0.087/0.557)=(1/6.40)
距離20cm=4倍・・・(0.041/0.557)=(1/13.6)
実は、放射線量は距離の逆二乗則(距離の二乗に反比例する関係)になります。
今回の実験ではきれいな逆二乗則にはなりませんでしたが、その傾向はつかめました。
結果が違うものになったのは、実験室内を飛ぶ自然放射線も計測されてしまったためと思われます。
○結果(バックグラウンドを除いた正味の値、以下同じ)
・距離 5cm・・・0.557マイクロシーベルト/時
・距離10cm・・・0.202マイクロシーベルト/時
・距離15cm・・・0.087マイクロシーベルト/時
・距離20cm・・・0.041マイクロシーベルト/時
距離5cmを基準にして他のデータを比較すると
距離10cm=2倍・・・(0.202/0.557)=(1/2.76)
距離15cm=3倍・・・(0.087/0.557)=(1/6.40)
距離20cm=4倍・・・(0.041/0.557)=(1/13.6)
実は、放射線量は距離の逆二乗則(距離の二乗に反比例する関係)になります。
今回の実験ではきれいな逆二乗則にはなりませんでしたが、その傾向はつかめました。
結果が違うものになったのは、実験室内を飛ぶ自然放射線も計測されてしまったためと思われます。
◎測定4:遮へいの実験1(材質による違い)
船底資料(添加剤)を使って、遮へいする材質による放射線の量の違いを確認しました。
○結果(試料までの距離:5cm、遮へい材の厚さ:5mm)
・アクリル・・・0.607マイクロシーベルト/時
・アルミ・・・・0.607マイクロシーベルト/時
・ステンレス・・0.542マイクロシーベルト/時
・鉛・・・・・・0.351マイクロシーベルト/時
密度が最も大きい鉛の遮へい効果が最も大きいことが分かりました。
○結果(試料までの距離:5cm、遮へい材の厚さ:5mm)
・アクリル・・・0.607マイクロシーベルト/時
・アルミ・・・・0.607マイクロシーベルト/時
・ステンレス・・0.542マイクロシーベルト/時
・鉛・・・・・・0.351マイクロシーベルト/時
密度が最も大きい鉛の遮へい効果が最も大きいことが分かりました。
◎測定5:遮へいの実験2(厚さによる違い)
船底塗料(添加剤)を使って、厚さによる放射線の量の違いを確認しました。
○結果(試料までの距離:5cm、
遮へい材の厚さ:0mm→5mm→10mmの順)
・アクリル・・・0.557→0.607→0.583マイクロシーベルト/時
・アルミ・・・・0.557→0.607→0.548マイクロシーベルト/時
・ステンレス・・0.557→0.542→0.427マイクロシーベルト/時
・鉛・・・・・・0.557→0.351→0.184マイクロシーベルト/時
これも最も密度が大きい鉛の遮へい効果が最も大きいことが分かりました。
○結果(試料までの距離:5cm、
遮へい材の厚さ:0mm→5mm→10mmの順)
・アクリル・・・0.557→0.607→0.583マイクロシーベルト/時
・アルミ・・・・0.557→0.607→0.548マイクロシーベルト/時
・ステンレス・・0.557→0.542→0.427マイクロシーベルト/時
・鉛・・・・・・0.557→0.351→0.184マイクロシーベルト/時
これも最も密度が大きい鉛の遮へい効果が最も大きいことが分かりました。