人体への影響


放射線を人間が浴びると有害だ、危険だと言われます。
どうしてそのように言われるのか、どのぐらい放射線を浴びると体にどんな影響があるのかなど、
放射線が人体に及ぼす影響について紹介します。

放射線には様々な性質があります。
人体に影響を及ぼすのは、励起作用です。(詳しくは『放射線の特性』へ)
放射線が原子にぶつかると励起作用によって原子がラジカルになることがあります。私たちが放射線を浴びると、 その部分の細胞では細胞を構成する原子がラジカルな状態になります。 すると、その細胞では通常は起こらない大きな化学反応が起きて、細胞内にあるDNAを切ったり破壊したりしてしまうのです。
DNAが壊れると正しい遺伝情報が引き出せなくなるため、正常な細胞が作られなくなる場合があります。
「放射線を浴びるとがんのリスクが高まる」と聞いたことがある人は多いと思います。
これは、放射線を浴びてDNAが壊れた結果、異常な細胞=がん細胞ができる可能性があるからです。
しかしDNAには自己修復機能があるため、多少傷ついても自分で治ることができます。 病院のX線撮影など、人体に放射線を浴びせるときには自己修復機能の許容範囲内のごくわずかな量しか被曝しないように使われています。

     ※DNA…生命体のすべての情報を詰め込んでいる情報物質。DNA遺伝情報をもとにして細胞分
           裂は行われる。人間の細胞すべてにDNAは存在する。


放射線の被曝量と人体への影響