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【ナルコレプシー】

 ナルコレプシーとは「居眠り病」とも言われます。場所や時間に関係なく居眠りを一日に何回も繰り返してしまうという症状の睡眠障害のひとつです。 他にも、喜怒哀楽の感情の激しいときにいきなり顔、首や手足の力がカクッと抜ける症状もあります。 この間は意識ははっきりしていて、周囲の話が正常に理解できます。

 この2つの症状が確実にあり、何ヶ月も続いているようであれば、 ナルコレプシーの疑いが十分にあります。 他の症状として、寝入り始めに鮮明に怖い夢を見たり、体を動かそうとしても動かせない金縛りにあう、日中に居眠りをしすぎて夜間に熟睡できなくなるという障害もあります。

【ナルコレプシーのメカニズム】

ナルコレプシーの症状は、2つの病態生理に起因しています。

1.睡眠・覚醒リズムの乱れ(睡眠の多相化)
  ⇒日中繰り返す過剰な眠気

2.レム睡眠が不適当な時間に起きる
  ⇒情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠発作、睡眠麻痺

なぜこの組み合わせになるのか、原因はまだ十分に解明されていません。

【有病率】

 日本人のナルコルプシーの有病率は、1万人に16〜18人といわれています。 この数値の開きは調査対象地域や対象年齢層の違い、 調査年の相違などによるものと考えられ、一般的には約600人に1人とみられます。

 ナルコレプシーはすべての人種に発病が見られますが、日本人の有病率は世界で一番高く、 もっとも低いのはイスラエル(ユダヤ人)であるといわれています。発病年齢は、10代〜20代前半に集中して、14〜16歳の時にピークがあります。

【治療法】

 根治的治療方法はまだありません。ですが、対照的療法でかなり効果があります。 薬によって症状を軽減したり、生活習慣を改善していくことが必要です。 根気強く治療を続けていくことが大切になるでしょう。