原因が多い食糧問題は、いったい何が問題なのでしょう。
原因や背景のひとつひとつに問題があって、これもまた手に負えなさそうに見えますが、食糧問題の問題点は大きく
2つに分けられます。
それは、現在問題になっている食糧の
「分配」の問題と、将来に問題になりそうな
食糧の「生産と消費のバランス」の問題です。
それぞれについて説明します。
まずは、食糧の「分配」の問題です。
現在、世界中で生産されている穀物の総量は、世界の人口70億人分の穀物の消費量
を上回っていますが、一方では多くの肥満に悩む人々がいて、一方では食糧が不足
して命を失う人々が大勢います。
そこで、食糧の分配のされ方には問題があるのではないか、と考えられました。
しかし、ただ均等に食糧を分ければいい、と言うものでもありません。
世界には、お米を主食にしている人もいれば、
小麦の人もいて、
トウモロコシなどの穀物を食べている人がいます。
そして、国と国の経済には差があったり、環境から言って生産できるものも違います。
要するに「分配」の問題は、「均等に分けるには?」ではなく
「世界の人々が不足なく食べていけるには?」を考える
べき問題なのです。
また、食糧の「生産と消費のバランス」も問題です。
2011年10月31日に世界の人口は70億人に達しました。
そのため、このまま世界の人口が増え続けていたら、将来、穀物の生産量が消費量についていけなくなってしまうの
ではないか、と言われています。
ただでさえ、はじめの問題によって食糧が不足している人々がいるのに、
この上、需要と供給のバランスが崩れては、
さらに多くの人が食糧不足に苦しむことになります。