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食糧高騰化問題

食糧高騰」とは、文字どおりに「食糧の物価が高くなる」ことです。
近年、世界経済で食糧価格が上がったため、日本でも価格が上がり始めています。
特にこの1年で急激に物価は上がりました。
 
しかし、日本はあまり気づいていない様子です。ほとんどマスコミなどは騒がず、
どこにも食糧の物価が高くなった実感がありませんでした。
 
なぜでしょうか?
それは日本が、この時期に円高であったからです。 円高が「食糧の高騰化」を
見えなくしてしまいました。
 
具体例として穀物を考えてみましょう。
多くの日本人が気づかない間に「食糧の高騰化」により世界中で穀物の価格は
高くなっているとします。そんなときに偶然円高になりました。
円高になれば、当然円の価値が高くなっているのだから、海外から輸入する穀物の
価格は下がります。
しかし、「食糧の高騰化」の影響で、輸入穀物の価格は下がらないのです。
 
つまり日本の中では、家畜のえさ用の穀物を大量に輸入する畜産農家だけが、
下がらない輸入穀物の価格に首をかしげます。
 
円高であったからこそ、多くの日本人は「食糧の高騰化」に気づきません。
もしも円高がここまで進んでいなかったら、穀物の取引価格が上がったことが
日本の食卓に大きく影響していたでしょう。
 
国際連合食糧農業機関が集計している「食料価格指数」は、2010年の後半だけで
32%も上がり、2011年1月には、今までで最も高い値にまで上がりました。
これはもはや、一時的に高くなっただけとは思えません。
 
過去では、2008年にも「食糧の高騰化」は起こっていました。
この時は2006年〜07年の異常気象によって小麦の生産量が大きく減ってしまった
ことで、小麦の価格は跳ね上がり、それに続くように穀物価格が上がったのです。
そして、秋のリーマンショックによって穀物価格は下がりました。
しかし、下がったと言っても一定の値よりも下には落ちませんでした。
要するに、ある程度高い値のままとどまってしまったのです。
 
ここから分かるのは、食糧価格は上がったり下がったりを繰り返しながら、
結果的に上がっていることです。

<用語のまとめ>

食糧高騰
食糧の物価が高くなること

国際連合食糧農業機関FAO
本部をイタリアのローマにおく、飢餓撲滅を目的とした国連の専門機関の1つ。

食料価格指数
国際連合食糧農業機関が毎月発表する、食肉、乳製品、穀物、油糧種子、砂糖、の5つの商品グループの価格指数から構成された世界の食料価格の指標。

リーマンショック
アメリカの大手証券会社・投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻から始まった、世界的な金融危機および世界同時不況のこと。

































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