プランテーション農業によって、食糧自給率に影響がでることがあります。
例として、アフリカの
ガーナ
をあげてみましょう。
ガーナは、アフリカ諸国の中では経済力が高い国です。
もともとは食糧を自給できていましたが、現在はあまり食糧を自給できていません。
それは、歴史のなかに原因があります。
ガーナは、19世紀末から20世紀半ばにかけて、イギリスの植民地でした。
そして植民地時代、「プランテーション」という、ヨーロッパ向けにカカオ豆を栽培する大規模な農園が各地につくられ
ました。
そのためガーナでは、「モノカルチャー経済」という、輸出するために限られた作物だけをつくる経済になったのです。
そして、1957年に独立してからも、海外からの収入を得るための輸出品としてカカオ豆の栽培を続けました。
一時期、ガーナ産のカカオは、世界の50%を占めたこともあったくらいです。
しかしグローバル化の影響で、他の生産国と激しい価格競争になってしまい、売れ行きがよかった1980年代に比べて
4分の1にまで下がってしまいました。
ガーナは、独立後「モノカルチャー経済」から抜け出さずにいたため、農業が多様化せずに、食糧の自給ができなく
なってしまったのです。
農民の生活は、世界の動向に影響されてしまいます。
つまりは、ガーナにとってカカオ輸出がうまくいかないことが、食糧自給率に大きく関わってくるということです。