P波とS波、余震について


ここでは、P波とS波、余震などについて紹介します

P波とS波


地震の揺れは2つの「波」として伝わってきます。

地震発生後してしばらくして、カタカタと小さなゆれが伝わってきて、その後大きなゆれが届きます。


初期微動…はじめの小さなゆれ
    初期微動を伝える…P波(縦波・速い)※1
主要動…あとに続く大きなゆれ
    主要動を伝える…S波(横波・遅い)※2

※1 P波は「Primary wave」(語源・ラテン語で「最初の」という意味の”primae”)

※2 S波は「Secondary wave」(語源・ラテン語で「2番目の」という意味の”secundae”)


余震


比較的大きな地震が発生すると、その近くで最初の地震より小さな地震が続発します。この最初の大きな地震を本震、その後に引き続き起こる地震を余震といいます。 また、このような地震活動のパターンを「本震−余震型」といいます。 震源が浅い大きな地震は、ほとんどの場合、余震を伴います。


※:地震活動のパターンには「本震−余震型」の他に、「群発型」があります。「群発型」は、目立って大きな地震はないものの、地震活動が激しくなったり穏やかになったりしながら、一定期間続くというパターンです。




余震域

余震の起きる場所。本震発生後から1日程度までの余震域は、本震で破壊された領域(震源域)とおおむね一致しますが、余震域はその後だんだんと広がっていく場合があります。 本震の発生により岩盤が不安定な状態になり、それを解消するために余震が発生すると考えられています。




余震の性質

  1. 余震の数は本震直後に多く、時間とともに次第に少なくなっていきます。 10日目に1日目の約10分の1に減り、100日目には約100分の1になります。 減衰の仕方は、本震直後は急激ですが、徐々に緩やかになります。 本震から10日後には直後の10分の1ですが、その後10日経過しても、その2分の1にしかなりません。余震がいつまでも続くといった印象を持つのはこのためです。 また、本震のマグニチュードが大きいと、余震が収まるまでの期間が、一般的には長くなります。

  2. 規模が大きい余震は少なく、規模が小さい余震は多く発生します。 マグニチュードが1つ大きくなるごとに、余震の起きる回数が約10分の1になります。

  3. 最大余震のマグニチュードは、平均すると本震のマグニチュードより1程度小さくなります。 余震の中で一番大きなものを最大余震といいます。 本震のマグニチュードとあまり変わらないマグニチュードの余震が起きることもあれば、最大余震のマグニチュードが本震よりかなり小さくなることもあります。平均すると、最大余震のマグニチュードは本震よりも1程度小さくなります。 一般的には最大余震の震度は本震の震度より1階級小さくなると言われています。たとえば本震で震度6弱の揺れだった場合、最大余震では震度5強程度になると予想されます。 しかし、最大余震の規模や発生場所によっては、本震と同じ程度の揺れとなる場合もあります。

  4. 最大余震は多くの場合、内陸では本震から約3日以内に発生しています。海域ではこれより長く、約10日以内に発生しています。 平成7年(1995年)兵庫県南部地震では2時間後、平成16年(2004年)新潟県中越地震では38分後、平成6年(1994年)三陸はるか沖地震では9.5日後でした。

  5. 大きな余震は余震域の端の周辺で起きやすい傾向があります。 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震では、余震域の南端付近(茨城県沖)でマグニチュード7.6の最大余震が、北端付近(岩手県沖)でマグニチュード7.4の大きな余震が発生しました。

  6. 大きな余震による揺れは、場所によっては本震の揺れと同じ程度になることがあります。 1997年3月26日の鹿児島県薩摩地方の地震(マグニチュード6.6)では、4月3日に最大余震(マグニチュード5.7)が発生、同県川内市では、とも に震度5強の揺れとなりました。また、平成15年(2003年)十勝沖地震(マグニチュード8.0)では、約1時間後に最大余震(マグニチュード7.1) が発生、浦河町ではともに震度6弱の揺れとなりました。 これは本震と比べて余震の方がより近い場所で起きたためです。