2日目 ディベートグループ発表
ディベート
全国47都道府県から集まった高校生が,放射線のテーマについて、肯定側と否定側に分かれてディベートを行いました。
肯定側になった場合の主張、否定側になった場合の主張をどのようにまとめるかをグループで話し合いました。
テーマ内容「放射性廃棄物を自宅近所につくることを認めるか、否か。」
肯定側の場合の主張
- 自宅近所につくっても周りの人々に影響は全くない。
(高エネルギー放射性廃棄物などは、人工バリアを多重に重ねた多重バリアシステムで囲んだあと、地中深くに埋めるため安全)
- 地域の活性化に繋がる。
- 補助金・資金が貰える。
(アメリカでは放射性廃棄物基金(NWF)が財務省に設置され、フィンランドでは雇用経済省が所管する国家放射性廃棄物管理
基金に資金が積み立てられる)
否定側の場合の主張
- 建設費や運用費などに大量の費用がかかる。
(フィンランドで建設中の高レベル放射性廃棄物最終処理場の予想建設費は総額30億ユーロに達するといわれている)
- 100%の安全は保障できない。
- もし不慮の事故があった時の対応はどうなるのか。
テーマ内容「我が国で食品照射を拡げるか、否か。」
食品照射とは、食品に放射線を照射し、発芽防止や遺伝子組換え、微生物の殺菌などをする技術のことである。
現在世界で200品目以上の食品が食品照射されており、多くの国でこの技術が利用されている。
日本ではジャガイモの発芽防止にのみ食品照射が行われている。
食品照射は基本的に安全と言われており、食品照射を研究する国際的機構が実験等をおこなった結果、身体的被害は出ず安全性が立証された。
しかし、食品照射には多くのメリットとデメリットがあることも分かっている。
食品照射のメリット
- 一度に大量に殺菌できるので効率がいい。
- 形状に関係なく殺菌できる。
- 包装後に処理できるので再汚染を防ぐ。
- 残留性や環境への影響が少ない。
- 長期保存ができエネルギー消費をおさえられる。
- 世界で200品目以上の食品照射が認められている。
食品照射のデメリット
- 過去に動物実験で染色体異常や胎児以上,死亡率の増加があった。
- 食品照射工場で被ばく事故があった。
- 日本人は放射線に対して非常にデリケートである。
- 食品の質が落ちる可能性がある。
- 検査の確実性が低い(違法照射がされる危険性)
これらのことをディベートして話し合った結果、デメリットは
規制強化や意識の向上などによって改善できるという結論にいたり、
食品照射には効率がよく、機能性の高い部分が数多くあるため、日本でも食品照射を進めてもいいのではないだろうかという結果になった。
またそのためにも国民に食品照射の安全性を説明することが日本の食品照射を進めるにあたって最も重要であるという結論にいたった。
発表
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自分たちの話合った内容を堂々と発表できました。
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