日本の宇宙開発の深い理解を目指す
1980・1990年代
――1980年代
「1980年代は、どんなロケットが作られたの?」 |
「先ほど言った、Nロケットの後継ぎである≪Hロケット≫ が開発されたよ」 |
「え、えっちって...変な名前ね!」 |
(c)JAXA
「まず、≪H−Tロケット≫について紹介するよ。
このロケットは、800kgぐらいの人工衛星を打ち上げようと計画されて いたんだ」 |
「800kgって、はかせが8人ぐらいの重さかぁ...」 |
「...」 |
「しかし、このロケットの第一段について論争が おこったんだ」 |
「なんで?」 |
「新しく開発するか、Nロケットのものをそのまま使うかでね」 |
「新しく開発したほうがいいんじゃないの?」 |
「いや、そうすると計画に遅れが出てしまうんだ」 |
「じゃあ、Nロケットのほうを使えばいいのに」 |
「いや、そうすると800kgのものが飛ばせないんだ」 |
「そうなんだ...。で、結局どうしたの?」 |
「Nロケットと同じものを使ったんだ。≪H−TAロケット≫としてね」 |
「Aってことは、Bも作ったの?」 |
「いや、作ってないよ」 |
「どうして?」 |
「それの代わりに≪H-Uロケット≫を開発したんだ」 |
「へー。じゃあ、それについても教えてよ」 |
「わかった」 |
(c)JAXA
「≪H−Uロケット≫国内技術の進歩を図り、高い信頼性があり、 低コストの打上げを可能にするために開発されたんだ」 |
「なんか難しい言葉ばっかりね」 |
「わかりやすく言うと、国内で部品を作れて、確実に打ち上げられて、 なおかつお金がかからない、ということだよ」 |
「すごい欲張りね」 |
「しかし、どれも大事なことじゃからの。しかたないの」 |
「あと、このロケットは、世界で初めての燃料を使っていたんだ」 |
「へー。どんなの?」 |
「液体水素と液体酸素だよ。この2つを使えば、燃やした後には 水蒸気しか発生しないんだ。」 |
「どういうこと?」 |
「オゾン層への悪影響がなく、環境を傷つけたりしないんだ」 |
「ああ!そっかぁ!」 |
「地球にやさしいということじゃの」 |
「日本はそれを世界で初めて使ったんでしょ、すごいじゃない!」 |
「全くじゃの」 |