上三中Web作品①

　風力発電は文字の通り、自然の風の力を利用して風車を回して発電機を動かし、電気を作る発電方法のことです。

　風力発電は自然界に存在するものを利用するので、火力発電や原子力発電などのように石油や核燃料といった有限な資源を利用することなく発電できるので、資源枯渇の 心配もなく、二酸化炭素を排出することもありません。風力発電は、今のエネルギー事情にぴったりな発電方法なのです。詳しいメリット、デメリットについてはこちらを参照してください。

図１：風力発電の仕組み

画像提供 ： 一般財団法人 新エネルギー財団

　風力発電はまず、風の力で大きな羽（=ブレード）を回します。その後回転している力を「増速機」と呼ばれる機械を通してより速いものとします。増速機で速くなった回転運動を、発電機に伝えることで発電をします。

　台風や突風などの強い風が吹いたときには、壊れないようにするためにブレードを止めるブレーキが取り付けられています。

　風力発電の特徴は、発電時に廃棄物や二酸化炭素など、地球環境に負担のかかるものを出さない点、風力からもたらされるエネルギーの40％を電力に変換できる変換効率 の高い点などがあげられます。

　ブレードを回す風のエネルギーは風速の3乗に比例します。たとえば、風力が2倍になると出力される電力は8倍になるということです。ですから、風の強さが強ければ強いほど 発電量が増すので、当然風の吹く量の多い場所への設置が望まれますが、設置場所が限られてしまう点も特徴の一つといえます。

　さらに、特に夏場は風の吹く量が多い土地でも季節が変わると風が吹かなくなることがあり、一年間の間でも多量に発電できる時期と発電できない時期の差ができてしまい、電力供給が 不安定になってしまいます。

図１：風力発電の各国導入量

データ提供：Wikipedia

　各国の風力発電導入状況をみると、ドイツをはじめとするヨーロッパ各国やアメリカの導入量が高いですが、最近中国での導入が盛んに行われるようになり、2011年には 世界全体の26％（世界第1位）を占めています。

　ちなみに日本は、2011年末時点で世界全体の約1％、世界第13位となっています。日本は国土の面積が狭く、平地が少ないため風の流れが少なく、風力発電を 行うのにはあまり適していない環境です。そのため、風力で発電を行うことはあまり容易なことではありません。また、台風や雷などの自然災害が及ぼす風車への被害、発電所建設に よる景観の悪化など、問題は多くあります。

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