Thinking
教授に聞いてみた
芝浦工業大学/工学部/機械学群/機械機能工学科/システム工学研究室/
澤田東一教授
僕たちはより知識を深め、さまざまな視点から“未来のモータースポーツ”について考えるために、澤田教授のもとへ伺い、インタビューを行いました。
話の内容を要約してあります、一部解釈が間違っているかもしれません。ご了承ください。
また、“―”は僕たちの意見や注意、“⇒”は澤田教授の話の要約を表しています。
・未来のモータースポーツはどのようになっていくと思うか?
⇒
第一にHV,EVへなるでしょう。つまりエネルギーの無駄を可能な限り省いていくということです。
従って軽量化も必須です。
ドライバーを中心にマシン作りをしていくことも考えられますね。
ドライバーにかかるG(車がカーブするときに働く遠心力のこと)を軽減するためにカーブのときに座席も同じ傾斜分だけ傾くようにするとか(笑)
重心はミッドシップ(エンジンまたはバッテリーボックスの位置が真ん中)でしょうね。
その方が車体が安定するので。
車輪が自由自在にきれる、すなわちタイヤがそれぞれ独立しているというのもおもしろいですね。
―
シートが回転するように制御するなど、僕たちでの話し合いではでたことのないような面白いアイデアを出していただくことができました。
・Bugatti Veyron などのスポーツカーが使用しているアクティブリアスポイラー(
DRS
と同じ意味です)を使ったエアブレーキはどの程度の性能を発揮しますか?
⇒R=μaΔ^+μrW
マシンにかかる空気抵抗はこのような式で表すことができます。
(R=空気抵抗、μa=空気抵抗係数、AΔ^=面積、μrW=転がり係数×重量)
物理は現実の事と結びつけながら学んでくださいね。
y
x
―
x軸を車の速度[km/h]、y軸を空気抵抗[R]として見ます。
x軸上で同じ大きさの変化量Δを左側と右側にとったときに、図に記載していないのでわかりにくいのですがy軸の空気抵抗の変化量が右側の方が大きくなります。
つまり、スピードが速ければ速いほど空気抵抗が大きくなるので、面積を増やす、すなわち可動フラップ、アクティブリアスポイラーといったものを使うことでブレーキの効果が高まります。
また、上向きの揚力の反作用で重量を重量を増やせるので
F=μN(N=W)
F=μW
と直せるので
まとめると、
エアブレーキは、マシンの速度が速ければ速いほど効果が高まるのです。
・水素エンジンの自動車への応用は可能であるか?
またメリット、デメリットは?
⇒
現段階では水素エンジン自体の実用化は難しいですね。
ただ、※水素ロータリーエンジンは実用化する可能性があるます。
従来の
エンジン
(レシプロエンジン)と比べて決定的な違いは燃焼する速度です。
レシプロエンジンではピストンで圧縮して爆発させるとそれで燃焼が終わりますが、水素ロータリーエンジンは燃焼し続けるので速度が長くなります。
こないだマツダの関係者と話したら、水素ロータリーエンジン開発を諦めていないそうですよ(笑)
―
※水素ロータリーエンジン...水素を使ったロータリーエンジンのことです。
燃料電池車との違いは水素を直接燃やして動力を得ることです。
貴重なお話を頂けました。
澤田教授、本当にありがとうございました。
物理学、力学に関して筆者自身の理解が甘いため矛盾等がありましたらご連絡いただけると幸いです。
Written by S
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