大分の史跡探訪 > 二つの「一宮」を訪ねる
◆二つの「一宮」を訪ねる
▲「鎮国一宮」の額(西寒多神社)
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「一宮(いちのみや)」とは、その地域(国)の中で最も社格が高いとされる神社のことです。一宮は多くの国では一国につき一つなのですが、豊後国には二カ所あり、いずれも大分市内に存在しています。
このページでは、その2つの「一宮」を巡ってみたいと思います。 |
各スポットのリンクをクリックすると、紹介ページににジャンプします。
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★柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)
▲境内の様子 |
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所在地:大分市八幡(Googleマップを表示)
駐車場:あり(大型車可)
アクセス:大分交通「柞原」バス停下車すぐ
大分駅から車で20分、大分自動車道大分インターから車で15分
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柞原八幡宮は、大分市の西部・八幡地区の山上にある神社です。最高位の社格なだけあって、とても広い敷地を有しています。
社伝によると、827(天長4)年、比叡山延暦寺の僧・金亀が宇佐八幡(宇佐神宮)に千日間渡った際、「天長7(830)年に八幡神が豊前国に垂迹する」との告げを得て、同年に大分郡(現在の大分市)の当地に白幡が立つと金亀は朝廷に奉上したところ、836(承和3)年に仁明天皇の命で八幡宮の造営が開始されたとされています。豊後国における宇佐八幡の別宮として崇敬を受け、歴代国司のほか、中世以降は大友氏、江戸時代には歴代府内藩主も厚く保護しました。
現在の境内の建物の多くは江戸時代に再建されたもので、宇佐神宮と同様、美しい朱塗りの建物が特徴です。2011年には、本殿や楼門など、10カ所の建物が国重要文化財に指定。現在まで、多数の参拝者が訪れています。
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参道入口の大鳥居
平地部の国道10号線交差点から柞原八幡宮へ至る参道の起点付近には、大鳥居があります。 |
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参道(人道)入口
ここから本殿までは、長〜い階段を上っていきます。
すでに威厳が漂う佇まいが感じられますね。
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南大門(日暮門・国指定重要文化財)
八幡宮に入ってから最初にくぐる門となる南大門。1623(元和9)年に再建されたものです。
下写真のように、門の内外には多数の彫刻が施されており、「これを一日中見ても見飽きない」という意味から別名の「日暮門」という名前がついたとされています。
なお、この南大門をくぐると道が二手に分かれています。また、この南大門のそばにはご神木のクスノキがあります。詳細はこちらのページで紹介しています。
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楼門(国指定重要文化財)
先ほどの分岐点を右側(脇道)のほうへ進むと、急な階段を上った先に楼門があります。現在の建物は1759年に再建されたもので、鮮やかな朱色と、巨大な屋根が特徴です。扉部分にある菊の紋章は、柞原八幡宮が仲衰天皇・応神天皇・神功皇后を祭祀していることを表します。
本来ならば、ここから入ると目の前が拝殿になるのですが、普段は閉鎖され、参拝の際は西門に回る必要があります。
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本殿・申殿・拝殿(ほんでん・もうしでん・はいでん・いずれも国指定重要文化財)
トップの写真の再掲になりますが、境内の様子を。
拝殿の前に回廊が渡っており、そこから参拝します。
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西回廊・東回廊の絵馬など(国指定重要文化財)
回廊の上部には、絵馬など多数の絵が飾られています。
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本殿(国指定重要文化財)
本殿は「八幡造り」と呼ばれる、後殿と前殿からなる2つの屋根をもつ形式のものです。柞原八幡宮のこの本殿は宇佐神宮を模して造ったと言われ、1850(嘉永3)年に現在のものが完成しました。
なお、本殿の両脇にはそれぞれ東宝殿、西宝殿がありいずれも国指定重要文化財に登録されています。 |
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★西寒多神社(ささむたじんじゃ)
▲本堂
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所在地:大分市寒田(Googleマップを表示)
駐車場:あり
アクセス:大分駅から車で30分
大分自動車道大分光吉インターから車で15分
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西寒多神社は、大分市の南部・寒田(そうだ)地区にある神社で、大分では唯一「大社」と呼ばれる神社です。神功皇后(じんぐうこうごう)が朝鮮半島征伐の帰りに当地を通った際、西寒多山(現在の本宮山、神社の奥の山)に臨幸の証として白旗を立てたところ、当地の人々がこれを崇拝し、278年頃にその地に祠(ほこら)を建てたのが創始とされています。中世以降は大友氏も厚く崇拝し、1408年に大友親世が社殿を山頂から現在地に遷したとされています。
この神社はフジの名所としても有名で、春になると藤棚や万年橋にフジが鮮やかに咲き誇ります。
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万年橋(まんねんばし、県指定有形文化財)
神社の境内の前を寒田川が流れ、これにかかるのが万年橋です。石造りのアーチ橋ですが、路面も緩やかな円弧を描くようになっているのが特徴です。1862(文久2)年に犬飼郡(現在の豊後大野市犬飼町)の石工らによって完成しました。
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神楽殿(左)と拝殿(奥)
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拝殿
拝殿には菊の紋章が入った布が掛けられており、この菊の紋章は、西寒多神社が一宮であり、また神社が応神天皇などを祀っていることを表しています。
なお、この奥に本殿があるのですが、本殿は千木の下が長い、珍しい造りになっています。
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