今回から初めて詳しいワイヤレス給電の方式の説明をしていきます。
高校や中学で習う物理や理科の知識が必要な部分も少しあるけど、
その時は各講義の一番下にある、講義内容に該当するページを見てみてほしい。
そこを一通り読んでから講義を受け直すとより理解がしやすいと思いますよ。
わかりましたー
さて電磁誘導ってみんな知ってるかな?
僕はまあ中学で習った程度か、それに毛が生えたくらいですね
俺もっす!
そこで自信満々にされても困るけどね。
というとみんなそんな感じなのかな? じゃあ、ちょうどいいから自信満々なN君に訊くけど、
電磁誘導ってなんだったっけ?
磁石とか、コイルとか、誘導電流ってやつでしたっけ?
何一つとして要領を得ないのだけど……
まあ、忘れてしまってもしょうがないね。
ここで電磁誘導についてまとめておこうか。
どうだろう?中学時代の知識を思い出してもらえたかな?
中学時代に習った基礎的なことが最新技術であるワイヤレス給電に使われているんですね。
まあ基礎はおろそかにしてはならないということだね。
さて、話を戻そう。
電磁誘導方式っていうのは前の講義で話したように一番最初に確立されたんだ。
だから今では一番私達に身近なワイヤレス給電といえるかもしれないね。
PASMO、Suicaに使われているのがこれなんでしたね。
あとシェーバーとか電話の子機とかな。
もはやワイヤレスじゃないっていう距離な気もするけど。
この電磁誘導方式の送電効率は送電側と受電側の距離に大きく関係があるよ。
言ってしまうと電磁誘導方式は他の方式よりも距離に制限があるとも言いかえられる。
小さなコイルでは直に触れていないだけ、
間に何か薄いものを挟んだくらいの距離でしか使えないんだ。
なんかデメリットばかりみたいですね?
あえてこの方式を使うメリットってあるんでしょうか?
言ってしまえば、一番古い方式で研究も進んでいる、
だから現在一番普及しているっていう部分もあるかもしれないな。
でも電磁誘導っていうのはかなりシンプルな構造でできるからそこはメリットかもしれないね。
現在実用化されているものはその点に目をつけたということでしょうか?
いや、それだけではないよ。
これは他の方式にも言えるんだけどね。
例えば電動歯ブラシなんかがそうなんだけど、
水回りで使う場合に電気関連の製品は電気の扱いに気をつけなければならない。
その際、外部にコードの接続穴とかが外部に露出しないから重宝されるんだ。
なるほど…、サビないですしね。
原理だけ説明してしまうとこのようになるんだけど、言葉だけだと難しいと思う。
だからここから画像も使って説明していくね。
お願いしまっす
説明のなかで注意して欲しいのは、
送電側、受電側双方にコイルを搭載する必要があるというところですね。
送電側の形成した磁界が受電側に影響を与えて、
電磁誘導の原理で元の状態を保とうと作用して誘導電流が流れます。
画像を使うと……
なるほど、電磁誘導の実験の時に磁石でやっていたことを、
電流をながして磁界を形成して代わりにしているんですね。
そう、流す電流の強さによって磁界の強さも変わるから、
そこで誘導電流の強さも変わってくる、
つまり、給電方法として使うことができるんだ。
だいぶわかった気がします!
PASMOの例で実用化されている形態について考えてみよう。
カードにはicチップのほかにコイル式のアンテナが埋め込まれています。
外部の機械が発する磁界の影響でこのコイルの磁界が変化して電流が発生していて、
この電流によってデータのやり取りが行われるっていうわけ。
このやりとりで移動する電力はごくわずかな量だけどね。
こういう実際の例があるとわかりやすいな。
では今回はこのあたりで。
次回は電波方式について詳しくお話します。