電磁誘導

 電磁誘導とは、一般に1831年、ファラデーというイングランド人によって発見された現象です。
 電磁誘導と聞くと難しい印象を受ける人も多いと思いますが、簡単にまとめると・・・

 磁場の変化によって回路に電流を流す原動力が起こる現象のことです。
 

コイルと磁石による実験

 ここでは、コイルと磁石を使った簡単な実験を用いて電磁誘導を説明します。


実験:コイルと検流計をつなぎ、棒磁石をコイ ルに近づけたり遠ざけたりして、検流計の針のふれる様   子を調べる。

(→=動かす向き ?=磁石の磁界の向き ?= 電流の向き ?=発生する磁界の向き)

N極をコイルに近づける
     ↓
左に針がふれる

S極をコイルに近づける
     ↓
右に針がふれる

N極をコイルから遠ざける
     ↓
右に針がふれる

S極をコイルから遠ざける
     ↓
左に針がふれる

中で静止させる
     ↓
なにも変化しない



 この実験から、

 「磁石が近づくと反発するように、また遠ざかると引き戻すように」

 コイルの中に磁界を発生させようと誘導電流が流れる。


 つまり、コイルはコイルの中の磁界の状態を維持しようと働いていることがわかります。


 このような現象は金属の周りでも起こり、コイルでしか起こらないわけではありません。

 IH調理器具などの身の回りのさまざまなもので、この電磁誘導の技術は利用されています。


マイケル・ファラデー (1791〜1867) 

ファラデーはイングランド人の化学者、物理学者です。

電磁誘導の法則、反磁性、電気分解の法則などを発見しました。

ファラデーは高等教育を受けていないにもかかわらず、史上最も影響を及ぼした科学者のひとりとされています。

科学史上最高の実験主義者とも呼ばれています。

電気関係の技術の発展に彼の功績は密接につながっています。



電磁誘導発見について

 ファラデーは電磁誘導を見つけたというのは上記の通りですが、
 彼は電磁誘導よりも先に電磁気回転という現象を見つけました。
 
 ある日彼は、針金に電気を流し、方位磁石を近づけると針が動く、
 という電磁石についての論文を読んでいました。

 そして彼は、

「電流の周りを、磁石がずっとぐるぐる回り続けるものを作れないだろうか」

 と考えます。

 その後、「水銀」「針金」「磁石」「ボルタ電池」「導線」を使って、
 磁石の周りを針金がくるくる回る装置を作ります。
 
 これが電磁気回転です。

「ここで、電気が磁石を動かせるなら、その反対のことができないだろうか」

 と考え、その後も新しい実験に取り組みます。
 
「鉄の輪の片方にコイルを巻いてボルタ電池につなげる。そしてもう片方にもコイルを巻いて、こっちには電気が流れているかを計るために、検流計をつなげると…」

 コイルはふれあわないようにしていたので、一方のコイルに流れた電流はもう一方のコイルには流れるはずはありません。
 
 ところが片方の電気を流したり止めたりすると、もう片方に電気が伝わり検流計の針が動きました。

 こうして電磁誘導が発見されました。

【参考】

電磁誘導_Hi_HO

 http://www.tele.soumu.go.jp/kids/time2/time2.htm
Wikipedia(人物の肖像画や情報)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/マイケル・ファラデー

 

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