今回取り上げるのはマイクロ波を用いた方式で、
長距離間に最も強いワイヤレス給電の方式である電波方式だよ。
そもそもマイクロ波ってなんですか?
それに関しては電気のページを参照して欲しいけど、
マイクロ波について少し話しておこうか。
マイクロ波って波長が10cmなんですね。
大体、大人の中指より長いくらいかな……
電波は見えないから身近なもので例えるとわかりやすいかもね。
ではマイクロ波を使うっていうこの方式はどのような場面で有効だと思う?
電磁誘導方式ではカバーできない範囲でしょうか?
まあほとんど正解だね。
強いて言うなら送信先がひとつの方向、
また、同時に給電する必要性がない場合に適していると考えられる。
そうか!
電波方式は長い距離の送電が得意だから近〜長距離どの場面でも使える。
でも同時に給電したいときは電波方式の機器を複数用意して数を増やすよりも、
共鳴方式を用いた方がコストが掛かりませんね。
そう、P君の言うとおりです。
まあ、近距離での電波法式の利用としては、
いくつも列状に電波法式の送電機器をならべて道路に埋めておいて
そのライン上を走る車に送電するっていう研究もされているけどね。
でも直進性が強いってことは送信側の少しのズレが
受信側では大きなずれになってしまうことはないのかな?
いいことに気がついたね。
それは実際に起こりうる事例だよ。
それを避けるための方法はいろいろあるけど、
ここではレトロディレクティブ方式というものを紹介するね。
それもワイヤレス給電の新しい方式何ですか?
いやそういうわけではなくてね。
〜方式ってなっているけどこれは電波方式における
送電方向を定めるやり方のことなんだ。
レトロディレクティブ方式は受信側と送信側の通信で送電方向を把握するんだよ。
ややこしいですね……。
これは近距離で両者のが固定されていない場合などに使われたりするよ。
話は変わるけど講義2でこの方式は宇宙からの送電も可能と書いたね。
そこには宇宙で発電した電力をワイヤレス給電を用いることで、
地上へと送ることができるんだよっていう意図があったんだ。
実は俺これが一番気になってたんだ!
おおそうなんだ。
この計画は宇宙で太陽光発電をしてその後地上へ送るという計画でね。
そのままではあるけど宇宙太陽光発電所、
英語でSpace Solar Power Stationって呼ばれています。
それって宇宙で太陽光発電しなくても地上ではダメなんですか?
地上では天候によって効率が悪くなることがあるからね。
宇宙ではその影響を受けない分太陽光を大いに活用できる。
まあわかりやすく数字にすると……
地上の約10倍太陽のエネルギーを活用できると言われているくらいなんだよ。
それは規模次第ではかなりの電力になりますね、すごいです!
今話題の原発の発電量をまかなえるかもしれませんし、まさに画期的です。
そう、今まさにその点でも注目されているんだ。
運用にはまだ掛かりそうだけど、2025年にも実用化が見込まれているらしい。
一つ思ったんですけど、電波方式ではマイクロ波を使うんですよね?
マイクロ波を地上に向けて照射するなんてキケンじゃないんですか?
確かにマイクロ波を地上に送るのには最新の注意を払わなければならない。
だから現段階ではおそらく海上に受信のアンテナを建造することになっているよ。
それでもまだ危険性がないわけではないからさらに広範囲に照射して、
エネルギーの密度が高くならないように最新の注意を払うんだ。
良い質問だったねb
ありがとうございます。
今回はこのくらいで終わりにしよう。
次回は磁界共鳴方式の詳しい説明をするよ。