電波の性質の発見
電波は電磁波の一種で字の通り波です。電波は音波とは違い空気のない宇宙などの真空上でも伝わります。
これは音波は液体や空気などを介して伝わるのに対し、
電波はそのように物・物質を介して伝わりません。
前項で紹介したマックスウェルは電磁波についてこのように理論を立てました。
” 空間に電気エネルギーと磁気エネルギーが存在し、それらのエネルギーが一体となって空間を伝わる ”
後のヘルツの実験により彼の理論は事実正しいものだったと証明されました。
マックスウェルの理論を簡単に言うと「電気と磁気という二種類のエネルギーが互いに干渉しながら空間を進んでいく」ということです。
その実験についてはワイヤレス給電に直接関係がないので挙げませんが、関連して調べてみると更に理解が深まるかもしれませんね。
電波の特に重要な性質
電波は電磁波です。電波法で「赤外線よりも波長が長い電磁波が電波」と定義してい ます。
赤外線よりも短いものはどんどん光に近い性質になっていきます。
赤外線以下の波長の電磁波には紫外線、γ線など人体に悪影響を及ぼしかねないものも含まれますが、電波は人体への影響は殆どありません。
また、電磁波の一種に光があるといえばなんとなく真っ直ぐ進むものであると想像できませんか?
電波の速度についてはどうだと思いますか?
そんな特徴を見ていきます。
直進性
波長の長さと同じかそれ以下の障害となる物体は超えて進んでいく性質です。電波の波長が短ければ短いほど波の軌道は光に近づき、よりまっすぐ直進をしますがその分乗り越えられる大きさが小さくなります。
反射
電波は光と同じ電磁波ですが光はとても波長が短いです。電波はそれに比べて荒い面でも反射します。
パラボラアンテナを例にあげてみると、ときどき網目状の物があります。
これは波長よりも細かい格子などでは電波が反射することを利用しています。
散乱
空気中にある小さな物体にぶつかるときに物体よりも波長が短ければ電波が散乱します。ミリ波では雨の日などで空気中に雨粒に電波がぶつかってしまい、電波が弱くなります。
屈折
光が空気中から水、ガラスに差し込む時、光が曲がって進むことを小学校で屈折と習いました。電波も空気中の圧力、温度、湿度などの変化で進行方向が曲げられることがあります。
回折
電波の種類で表にあったVHF、UHFの電波はやまやビルを通過するときに裏側に回りこんで進む性質を持っています。この声質のお陰で山に隠れた民家に電波が届きやすくなるのです。
干渉
電波同士がぶつかっただけでは何も起こりません。起こるのであればもう携帯電話は使えませんね。
実は周波数を変えて発信することでこれを防いでいるのです。
周波数が同じ電波がぶつかり合うと電波が重なり合い、干渉という現象が起きます。
この干渉によってお互いの電波が妨げられてしまったり逆に強められたりします。
【参考】
電波技術協会:http://www.reea.or.jp/guide/gui02.html#03
電波のキホン-周波数帯の再割当てで注目される電波の世界-
総務省電波利用ページ:http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/myuse/summary/