早稲田大学理工学術院の客院上級研究員である高橋俊輔先生にお越しいただきました。
高橋です。ワイヤレス給電の研究をしています。
今日はよろしくおねがいします。
よろしくお願いします!
今日は最近の研究や私の注目するワイヤレス給電のお話をしたいと思います。
最後に質問等ある人は時間をとりますから、考えておいてください。
では、よろしくお願いします。
私たちの研究するワイヤレス給電っていうのはいろいろな分野に応用が効きます。
その最たる例が、医療に使われているということですね。
例えば耳が不自由な人には原因はいろいろですが、
外の音を耳で感じ取ることができない人がいます。
その人達の中には、鼓膜やその周りの機能がうまく働かないけど、
内耳の部分では音が感じられるという人もいるんですね。
そこまでくると医者の領分な気がしますが……
そういう人たちには耳の中に機械を埋め込んで、
外の音を通信でその機械に送ることで耳が聞こえるようになります。
その際に耳の中に埋め込んだ機械の電池を頻繁に交換するなんてことはできません。
その際は切開をする必要がありますし、患者の負担が増えるだけです。
その機械への無線充電に使われるのがつまりワイヤレス給電なんですね。
そういうこと。
他には医療では義眼にも使われます。
これは実用直前なんだけど、映像を電気的なデータで伝えたりすることができるよ。
ワイヤレス給電はこれからも他の分野にまたがった、
様々な発展が見込まれていることがここからも分かるね。
今までが方式とかの説明ばかりでなんとなくすごいくらいしか思わなかったけど……。
義眼ってなんか重要性が違いますね。
まさに人の身体を直接支える技術です。
もちろん自動車やSPSなんていうのも研究が盛んだね。
自動車のお話を少ししようか。
自動車には電波や磁界共鳴方式などでの給電の研究がされているんだけど、
その際に自動車と送電機の間にものがあったとしたらどうなると思う?
地中に埋めておくなら、間にアスファルトがあるけど、
アスファルトは電気をあまり通さないだろうから、何も怒らないと思うなぁ。
S先生は?
磁界共鳴方式では電気をよく流す金属に気をつけておくべきだと思います。
そうですね。でも、十円玉なんかでは電気を通すけどあまり問題はないんです。
私が一番懸念しているのは、アルミと紙の合わさっている包装紙や箱なんだ。
紙は電気を通しませんよね?
ええ。でもアルミ箔のように薄いものはかなりの高温になります。
そのアルミが貼られている紙の箱なんかは100度を超えれば燃えてしまいます。
このように組み合わさって二次的な被害が出てしまうのは気をつけねばなりませんね。
さて、速いけどここらへんで。
ここらへんで質問がある人はいますか?
先生はいろいろなことをお知りのようですが、
そんな先生が一番注目しているのは何ですか?
そうだね。私が注目しているのは移動中に給電できる自動車かな。
自動車の真下に送電用の機械を並べて埋め込んでおいて、
走りながら受電できるんだ。
興味ある人は少し調べてみるといいよ。
先生はご都合があるのでここで解散になります。
ありがとうございました。
ありがとうございました!
次回は大学院生の羅コウさんにもお話を聞こうと思います。