二人とも、このグラフを見て

じゃあ問題。このグラフから読み取れることは？

あ、一人当たりのGDP（国内総生産）が高くなるほど出生率が下がってる！

え、でも下がりきった後は上がっているよ？

そうね。じゃあ、どうして途中で上がるのかしら？

うーん、なんでだろう？

・・・先生、日本って今このグラフの底のところに位置してるんですよね？

ええ、そうよ

じゃあ、きっとグラフが上がるのは、今の日本みたいに少子化に対する危機感が高まって何か対策がとられるからじゃないかな？

そうね、いい読みだわ

ってことは、日本もこれから出生率が上がっていくんじゃない？

それは、これから日本が少子化に対してどのような対策をとっていくかにもよるわね

あれ、先生、GDPが上がったら一人当たりの給料は上がりますよね？

うーん、極端な話、一人でも大富豪になれば、その国のGDPは上がるから、絶対にとは言えないわよ？上がることもあるとは思うけれど

へぇ、上がるものだと思い込んでました

どうしてそう思ったの？

はい。いや、給料上がったら家計にも余裕が生まれるじゃないですか。なのにどうして出生率が下がるのかなって思って

確かに。家計に余裕があるなら子どもの数増えても大丈夫だもんね

そうね。じゃあ取りあえず、GDPの上昇に伴ってお給料も増えると仮定しましょう。そのとき、二人は、結婚してそろそろ子どもが欲しいなと思ったとして、子どもの数はどのくらいが理想？

んー、私は子どもを私立に行かせたいから、旦那さんの給料とか考えて、私立に行かせられる人数だけ欲しいかな

え、なんでなる子そんなに将来設計しっかりしてんだよ。俺、結婚とか子どもとか、考えたこともないよ

うふふ、タカオくんには難しい質問だったかしら。なる子さんはどうして子どもを私立に入れたいの？

やっぱり、子どもには良い教育を受けさせて、将来良い職業に就いて欲しいじゃないですか

なるほど。でも、私立に行かせるとなると、教育費が高くなるわよ？

そうなんですよねー。お金さえあれば子どもなんていくらでも産みたいところですけどね！

いくらでも、っていうのは言い過ぎだろ。体力的な面で

大丈夫だって、私子ども大好きだし！！

なる子さんは、子どもは欲しいけど教育費が高いからたくさんは産めない、というように考えているのね。少し冷めた言い方をするけれど、夫婦が子どもの人数を決めるとき、子どもをつくることのメリットとデメリットを比較して考えているのよ