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紙型


概要


戦後間もない1950年あたりに発行された「岸高新聞」の印刷に使用されていた「紙型」計11枚。 1949年12月~1950年9月までの「岸高新聞」のブランケット版(一般の新聞サイズ)が7枚と、タブロイド判(ブランケット版の半分のサイズ)が3枚。 50年6月13日に発行された 「全国高校新聞通信連盟報」の会報誌第5号が1枚。

  会報誌は、当時連盟本部が置かれていた本校にも実物の紙面が残っておらず、 貴重なものとなっている。
  このころ全国高校新聞通信連盟には全国約300校が加盟しており、そのうち134校の246部が岸和田高校に保存されている。

リスト

【岸高新聞】
○第30号  1949年12月 3日発行  1面  サイズ(ブ)
○第32号  1950年 1月21日発行  1面、2面  サイズ(ブ)
○第34号  1950年 3月11日発行  1面  サイズ(ブ)
○第37・38号(合併号)  1950年7月19日発行
                       2面、3面、6面  サイズ(タ)
                      4・5面  サイズ(ブ)
○第39号  1950年 9月22日発行  1面、2面  サイズ(ブ)
【全国高校新聞通信連盟法】
○第5号  1950年 6月13日発行  1~8面  サイズ(ブ)
注:サイズ「(ブ)」はブランケット判、「(タ)」はタブロイド判のことである。


紙型

  紙型とは、活版印刷に使用する紙製の鋳型。
  鉛活字をくみ上げ、特殊な厚紙を押し当てて作成した型のことである。当時はそれをもとに鉛版を作り、輸転機で印刷していた。

  通常、紙型は印刷業者によって廃棄されるものであり、保存されているのは非常に珍しい。

当時の印刷方法

  今は絶滅状態に近いと言われるが、かつて、印刷物は活字印刷(活版)が当たり前であった。
  1. 印刷所の文選工が原稿をもとに活字棚から金属製の小さな活字を一つ一つひろう
  2. 植字工が一定の枠の中に原稿どおりに植字する
  3. それを組み合わせて大きな組版をつくる
  4. β:大量印刷の場合、組版に特殊な厚紙を押しあてて型をとる(これは軽いし場所もとらず保管するのに最適)
  5. その紙型に溶かした鉛合金を流し込み、鉛版(平鉛版や丸鉛版)をつくる。
  6. 新聞の場合は丸鉛版を輪転印刷機にかけて印刷する。
※少数印刷の場合、3にそのままインクをつけ、用紙を押し付けて印刷する

歴史

  当時印刷は大阪市内の印刷所に依頼しており、高校新聞の全国組織本部が置かれていた関係で残っていたと推測される。 新制高校に制度が変わり、男女共学になった直後である。
  また、「米国高校生の男女交際」などの記事も認められる。

  2014年、同窓会幹事の中村正明さんが校内の同窓会館の倉庫整理の際に、ひもで丸くくくられた状態で発見した。
  同年9月に4社から取材を受け、新聞などに掲載された。

記事

  • 岸高新聞では、校内で下駄から靴に履き替えるよう求めるなど、他校の事例などが掲載。
  • 会報誌では、「H・R36%が成功せず」所属各項でのHR(ホームルーム)の状況を調査し、「クラス親睦のための雑談」「結局時間つぶし」などの回答を紹介。 全国217校が参加した「第1回全国高校学園新聞コンクール」の結果も掲載。

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