食事と一言で言っても、なんでもいいわけではありません。
様々な食品を組み合わせて、必要な栄養素をバランスよくとることが大切です。
では、その『バランス』とは、どのようなものでしょうか?
食品は大まかに、右の図のように三色に分類することができます。
赤は血や肉を作る食品、
黄色はエネルギー源になる食品、
みどりは身体の調子を整える食品です。
この三食のバランスがしっかりとれた食事が『バランスの良い食事』です。
中高生に人気のラーメンやパスタなどは、炭水化物です。
すなわち黄色い食品だけで終わってしまう食事、ということになるので、要注意です。
野菜や海苔などをトッピングして、バランスを保ち、毎日の食事が「赤」「黄色」「緑」のきれいな三色で彩られるよう心がけましょう。
次に、朝食・昼食・夕食の三食のバランスについて見て行きます。
まず、中高生は、この三食を全体を10とすると、2:3:5の割合でとることが多いようですが、実は、3:3:4が理想的です。
なぜなら、夜は活動量は減るうえ、ビーアールワンというたんぱく質が活性化して、脂肪をため込みやすくなるからです。
また、理想的な食事時刻は、朝食が朝の6時半から7時の間、昼食が昼の12時から1時の間、夕食が夜の7時から8時の間です。
内容は、朝食は、代謝を上げるためにも、しっかりと『三色』のバランスをとり、昼食は、午後の活動にひかえ、『赤』と『黄色』をしっかりとることが大切です。
ボリュームのあるものを食べたいときは、昼食でとるのがベストです。
夕食は、朝食同様『三色』のバランスをとることが大切なのですが、朝食と比べて、脂質は抑え目にしましょう。
前述のように、夜は脂肪をため込みやすいからです。
三食、バランスよくしっかりとりましょう。
さて、三食バランスよくとって、昼食は、少しカロリーの高いものをとっても大丈夫、ということを話しましたが、そこで気になってくるのが、コンビニ食やファストフード食です。
なぜなら、中高生の37%が週に3,4回以上コンビニ食やファストフード食をとる、というデータがあるからです。
これについては、校内でも同じように質問しましたが、同じように週に3,4回以上コンビニ食やファストフード食をとる生徒が、約20%いることがわかっています。
コンビニ食や、ファストフード食は、手軽で、値段も安く、私たち中高生にとってはなくてはならないものですが、こうした食事に偏ることは、よくありません。
ファストフード食は、揚げ物や、肉料理が中心なので、カロリーが高く、栄養バランスも偏るため、肥満につながります。
コンビニ食もファストフード食同様、とてもカロリーが高いのです。
右の写真を見てください。
これは、コンビニで買ってきたおにぎりのごはんを一つまみ、つまんで水に浮かべてみたところです。
水にごはんを入れてすぐに、うっすらと油の膜が浮いてきました。
通常のごはんでは、ありえません。
なんと、コンビニのおにぎりには、植物油が混ざっているのです。
これは、製造機械にごはんが付着するのを防ぐため、というのと、保湿や保存のためだそうです。
また、コンビニ食には、多種類の食品添加物が使用されています。
保存料、乳化剤、着色料、合成甘味料などです。
食品添加物は、コンビニ食に限らず、加工食品などには必ず含まれていますが、コンビニ食のように、手軽でおいしく、健康そうに見えるものにも含まれていることを認識することが必要です。
もちろん安全性が証明されている添加物ですから、ただちに問題になる、ということではありませんが、毎日毎日、こうした食事を続けていると、気分がイライラしたり、集中力が低下するおそれもあります。
こんな話があります。
アメリカのニューヨーク市で、子供が荒れていた1979年〜1983年の4年間で、給食の内容の改善を試みました。
まず1年目に、給食から飽和脂肪酸と砂糖をカットしました。
すると、それまで国内の学力テストの平均点が39点にとどまっていたニューヨーク市の平均点が、47点に上がったのだそうです。
そこで2年目には、着色料と、合成甘味料をカットしました。
すろと、学力テストの平均点は47点から、53点に上がったのだそうです。
そして、4年目には保存料のカットをし、学力テストの平均点はさらに上がって、55点になり、子供たちも落ち着いてきたそうです。
この話からも、食品添加物や、糖分が、毎日の生活や学習に影響を与えることがわかります。
もちろん、その利便性ゆえ、まったく利用しない、ということは難しいので、せめて、一か月に数回程度にして、なるべく、家でバランスのとれた食事をとるよう心掛けましょう。
私たち中高生にとっては、おやつ、つまり『間食』も必要不可欠です。
学校生活の中では、特に、昼食と夕食の間が5時間以上あくことが多く、成長期である私たちにとっては、必然的にカロリー不足になって食欲がわきます。
これは我慢せず、あえてとりましょう。
しかし、食べ過ぎには注意です。
また、夕食の近いときにとらないように気を付けましょう。
最も遅くて、夕食の2時間前までです。
なぜなら、間食が夕食に近い時間帯にとられてしまうと、間食によって血糖値が下がり、その状態で夕食をとることになるため、炭水化物が脂肪に変換されやすくなり、肥満を招くからです。
これはインスリンというホルモンのはたらきです。血糖値が上がったところに炭水化物をとるとどうしても太りやすいものです。
また、内容には少し注意しなければいけません。
中高生には、スナック菓子が大変人気です。
しかし、これには脂質が多く含まれているのでカロリーが高く、バランスも悪く偏っていますので、肥満を招いたり生活習慣病のリスクを上げたりしてしまいます。
これらのものは、週1回程度に控え、他のもの、例えば手作りのお菓子や低カロリーなおやつなどをとりましょう。