18歳選挙権とは
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2015年6月17日、選挙権年齢を現在の20歳以上から18歳以上に引き下げる「改正 公職選挙法」が参議院本会議で可決され、成立しました。
※当サイトでは便宜上この法案のことを「18歳選挙権」と表記します。
新しい法律のポイント
- 選挙権をもつ年齢を満20歳以上から満18歳以上にすること
- 選挙運動をすることに出来る年齢を満20歳以上から満18歳以上にすること
以上の2つが大きなポイントです。
選挙権を持つ年齢が変更されるのは、25歳以上から20歳以上へと変更された1945年(昭和20年)以来の70年ぶりのことです。
→詳しくは選挙権の歴史へどうして法律が改正されたのか
少数派だった日本の制度
上のグラフが示しているように、世界では192か国のうち92%にあたる176か国が18歳までに選挙権を与えています。
→詳しくは世界の選挙権へ若者の意見をより反映する
上のグラフが示しているように、20歳代の投票率は年代別で最も低くなっています。
少子高齢化の進んでいる日本において、これからの社会を担うことになる若い世代の意見はより重要です。18歳、19歳に選挙兼の与えられる年齢が拡大されることでこの状況に歯止めがかかることに加え、若者の選挙に対する意識が向上することも期待されています。
さまざまな意見
新しい法律に寄せられているさまざまな意見を紹介します。
新たに選挙権を得る18.19歳は合わせて240万人である。有権者全体の2%にしかならず、18歳投票権だけで「若者の声が届く政治」が実現するわけではない。あくまで突破口だ。
重要なのは、せっかく有権者になった18.19歳が投票所に背を向けることがないようにすることだ。若年層の投票率が意外に高いとなれば、「若者も国のことを真剣に考えているんだな」と思う高齢者が増えるはずだ。
海外では選挙を行っている国のうち、およそ9割が18歳から選挙権を認めているというデータもある。裏を返せば、世界では、18歳ならば責任を持った判断ができるはず、と思われているとも言える。
受験勉強や部活も大変だろうけど、今からでも少しずつ社会で起きていることに目を向けることが重要だ。学校でも、政治に参加する意識を高める「主権者教育」が本格的に始まる。- 18歳選挙権Q&A…有権者240万人増 YOMIURI ONLINE
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自分と異なる意見も尊重し、議論を通じて考えを深めることは民主主義のルールを学ぶことでもある。これまでこうした教育が乏しかった。新聞などメディアも大いに活用してもらいたい。教育現場で政治を論じあうことを許容する社会的な合意づくりが何よりも重要になる。
政党も問われている。人口減少や超高齢化が進む中で、従来以上に若い世代に目を向けた政策の立案やアピールが求められる。
若者の政治参加が進んでいけば、政治のあり方を変える大きな力となる。高校生を含めた18、19歳の若者が政党や候補者を吟味し、1票を投じる意味は決して小さくない。その一歩を大事にしたい。- 社説:18歳選挙権 若者こそ政治に参加を 毎日新聞
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世界の潮流は既に「18歳以上」だ。将来を担う若者が日本の針路を主体的に考え、自らの意見を政治に反映させる契機としたい。
- 【社説】18歳選挙権 主権者教育の拡充進めよ 西日本新聞
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候補者の取り組み
インターネットでの選挙活動
多くの候補者がインターネットを用いた選挙活動を行っています。特に、利用している若者の多い「Twitter」や「Facebook」を活用している候補者も多く、若者にとって情報収集のし易い環境が整ってきています。
※平成25年5月26日にインターネットを用いた選挙運動が解禁されました。
国会議員から頂いた意見
実際に審議に参加された国会議員の方々は18歳選挙権についてどのような思いをもっていらっしゃるのでしょうか。
宮城県より選出された国会議員のお二方からご意見を頂きました。
和田政宗 参議院議員(ウェブサイト)
私は、今の日本や地域を良くしていくためには若者の発想や行動力が重要であると考え、18歳投票権の実現に国会で中心となって活動してきました。高校生自らが18歳投票権の実現を目指し活動してきた「ACT18」の相談に乗ったり、支援をしたりしてきました。そうして18歳投票権が実現されたことは、非常に喜ばしいことです。
18歳、19歳をはじめとした若者の発想と行動こそが、戦後70年が経ち硬直化しつつある日本の状況を変えることにつながると考えています。
熊谷大 前参議院議員(ウェブサイト)
若い人たちに選挙権が引き下げられたことで、例えば①若者の意見が政治に反映される、②政治家が若者向けの政策を考えるようになる、③政策に未来志向のものが増える、といった変化、改革が想定されます。
ただ一方では、若い人たちの投票行動を反映して、④全体の投票率が下がる、⑤ネットでの選挙活動では違反まがいの運動が展開される、⑥タレント議員を起用しての比例票狙いの政党が増える、⑦人気政治家、人気政策に世の中の雰囲気が流れていく、といった面を懸念する声があります。
総合的にみれば、若者の声が政治に反映されることは、素晴らしいことと考えます。若者は、政治、政策を考え、政治家を選び、そのことを通じて自分と社会との関わりをこれまで以上に深く思慮することになります。
また、我々政治家は、皆さんから刺激を受け、もっと勉強するようになります。単なる人気取りにならないよう、政治に関心と理解を持つ若者の要求に真摯に応えるべく、行動し、政策を作るために汗を流します。
伊藤信太郎 衆議院議員(ウェブサイト)
世界の多くの国が、18歳(もしくはそれ以下)の国民に選挙権を付与していることを考慮すれば、20歳から18歳に引き下げることは、国際協調の観点からも妥当な措置と考えます。
また、議会で審議される法律や施策には、それによってもたらされる恩恵が世代間で大きく隔たる分野(例えば社会保障分野等)がありますし、世代間で、興味関心や理解に差があるような分野(例えば新テクノロジー、文化や芸能の分野)もあります。
そんな中で、幅広い世代の意見を選挙結果に反映することは、公正な民主主義を実現する上で有意義なことだと思います。
他方、現行法では成年の定義が20歳であることに変わりはありませんので、税法や刑法上では、18~19歳は未成年として扱われます。
この点と選挙権年齢を定めた公職選挙法の間での整合性が失われることがないよう法律の運用・解釈、場合によっては法整備をしっかりとやっていかなければならないと感じております。
また、18~19歳の方々というのは、高校生や大学生等、学生である方も多いかと思われますので、学校教育の現場で政治的中立性がそこなわれるようなことがないよう気を付けなければなりません。
まとめ
ポイント
- 世界の情勢に合わせることや、若い世代の意見をより反映させることなどを目的として法律が改正された
- 賛成意見や反対意見、さまざまな意見がある
- 候補者側も準備を進めている
感想
さまざまな理由があって、選挙権が与えられる年齢が引き下げられたことがわかりました。
私たちは2年後に選挙権を持つことになりますが、一番大切なことは政治について少しでも関心を持つことだと感じました。そのためには、自分で情報を集め、自分の考えを持つことが大事なのだと考えます。自分の意見を表すために与えられたチャンスを逃すことのないようにしていきたいと思います。
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