トップページ>お金の歴史>日本のお金の歴史>軍票について
軍票とは
軍票とは、戦時中、占領地などで食料等の物資を調達するために発行される紙幣のことです。戦争終了後、軍票を発行した政府または軍隊は、発行した軍票を回収し、現地通貨の現金或いは貴金属等に交換する義務があります。しかしながら、太平洋戦争時の日本のように、その支払いが免除されたり、負けた国に支払い能力がなかったりする場合も多く、軍票が現金化できないこともあります。日本で最初に用いられた軍票は西南戦争時に西郷隆盛の発行した西郷札であるといわれています。その後も日清・日露戦争や第一次大戦などの対外戦争の占領地で多く用いられました。
太平洋戦争では中国、東南アジアにて発行されました。通貨単位もルピー、ペソ、ドル、グルテンと多岐にわたっていました。軍票は戦争中に発行されるものであるから、基本的に印刷が一般の紙幣よりも簡単です。日本が発行したものもほとんどが一色または二色刷りの簡素なものです。また、日本の軍票の特徴として、現地の特徴的な植物や建物などが図柄に採用されていることがあります。たとえば、フィリピンで発行された軍票10ペソ券は、表面が二色刷り、裏面は単色刷りですが表にはアバカという紙幣の原材料になる植物が描かれています。また、淡い雲形の透かしも入っており、簡単に偽造ができないようになっています。
それと時期を同じくして発行された100ペソ券は、本格的な軍票です。表面の額面金額や輪郭枠などの主な模様は凹版印刷で刷られており、淡い地模様は色が次第に変化していくレインボー印刷といわれるものです。アバカの葉の透かし模様も入っており、緻密な彩紋模様が採用されています。またフィリピンの独立運動の際に活躍するもスペインによって殺された愛国者ホセ・リサールのリサール記念碑の図が、紙幣表面に描かれています。
軍票とは、戦時中物資を調達するために発行される紙幣のこと
日本初の軍票は西南戦争時に西郷隆盛の発行した西郷札であるといわれている
軍票は主に太平洋戦争の時代に用いられた
前の時代へ | 戻る |