オーストラリアといえば、カンガルー!そしてコアラでしょう!!
「コアラ」という名はアボリジニの言葉です。
「コアラ」の他には「コロ」とか「クーラー」、「カラワイ
ン」、「クールウィング」、「カルボル」などとも呼ばれていました。「コアラ」とは「水を飲まない」
という意味で、ユーカリの葉からだけ水分をとるという独特の習性を示している、と一般
的に長い間理解 されてきました。しかし、わずかに残っている言語についての記録には、「コアラ」とは「噛みつくもの
」や「怒り」を表しており、コアラの強力な前歯と捕まえられたときに野生のコアラが歯と爪を使って猛
攻撃にでる様子を指しているというものもあります。
学名 Phascolarctos cinereus
コアラ(ファスコラルクトス・シネレウス)はカンガルーと同様の有袋類動物です。
彼らは樹上で生活する動物で、草食性です。カンガルーなどのその他の樹上で生活する有袋類とは異なり、長い尾はありません。しかしとても優れたバランス感覚を持っているので樹から落ちることはめったにありません。体は引き締まって筋肉質で、コアラは頭部が重く、大きな扁平な黒色の鼻で、耳は毛が密生し、丸い形に見えるが毛の下の本体はとがっ
ています。目は小さいが、虹彩は愛らしい薄い赤褐色をしています。そして瞳孔は垂直の針状で、口には
大きなのみ状の歯が生えています。背には暗灰色の、胸から腹にかけては灰白色のふわふわした長い毛が
密生しています。四肢は長く、強い筋力を持ち、 彼らの手と足は、樹上生活に非常に適しています。前足の五指の爪は長く鋭く、第一と第二指が他の三指
と対向しているので、ちょうど日本の親指をもっていることになって、つるつるした樹皮にもしっかり捕
まることができるのです。後ろ足の四指にも鋭い爪があり、かかとは爪こそは無いが、高か的にものを握
ることができる指の役目をします。 コアラは長い四肢のおかげで、敵に襲われた場合、かなりの早さで地上を走ることができます。
★コアラの出産★
<誕生>
コアラは他の有袋類動物のように未熟の状態で子供を産み、子供は本能と鋭い嗅覚、母親が毛をなめて作った濡れた溝だけに導かれて、安全で温かい育児袋を目指します。コアラの育児袋の口は、カンガルーとは反対に下、つまり後方に開いているので、子供はすでに入り口近くにきていることになります。新生児はいったん育児袋の中に入ると、7ヶ月は姿を見せません。
<成長>
その後、徐々にちょこちょこ世間に顔を出すようになってきます。その頃の子供は体が生まれた時の100倍くらいの目方になっています。
大きくなって育児袋を使えなくなるまで、それから二ヶ月ほどは相変わらず育児袋を使い続けます。大きくなると母コアラの腹にしがみつくようになり、育児の初期段階であるこのころに、子の爪が抜け落ち、新しくもっと強力な爪に生え替わります。生後9ヶ月頃になると、母コアラの背に乗っかって、母コアラが歩き回るうちに、母コアラの好みのユー
カリの葉の味を覚えていきます。
<親離れ>
1歳くらいになると完全に離乳し、ユーカリの葉を食べるようになります。育児袋に入れないくらいの大
きさになっています。木登りを覚え徐々に親と子が離れて行くようになります。
★コアラの食事★
コアラは知られているようにユーカリの葉を常食とします。ユーカリの葉は非常に繊維質が多く、栄養もあまりなく多くの動物にとって有毒です。そんな葉を常食にしているので、新陳代謝がよくなく摂取した食べ物を消化器官に比較的長い時間溜めて、使うエネルギー量
を保持します。エネルギーを保持するために彼らは約16時間も睡眠をとるのです!彼らの消化系器官に、そこに共棲するバクテリアの力を借りて、ユーカリの葉に含まれる毒性の成分を解毒する作用があります。
彼らの盲腸には特別な繊維質を消化する機能があります。他の動物にもある盲腸ですが彼らの盲腸はとても長くて2メートルもあります。この盲腸には繊維質を粉々にし、体内に吸収しやすい他の物質に代える細菌が何百万もいるようです。ですが、細菌の力を借りても、摂取した繊維質の約25%しか体内に吸収することができないのです。またユーカリの葉から水分を摂取することができるので、彼らはほとんど水を飲みません。オーストラリアには600種類以上のユーカリがありますが、彼らはそれらのうち、自分のお気に入りのユーカリの葉しか食べません。
★ コアラの悩み★
悩み、それはコアラの生命を脅かす開発により生息地が減るということです。 森林伐採により生息地が減少するため、道路に出て交通
事故に遭ったり、生息地の過密化によって勢力争い が激しくなったり、ストレスが溜まり病気が感染しやすくなったりと問題が多くなっています。なんとか
コアラを保護しよと、オーストラリアコアラ基金などが頑張っています。
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