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不安や疑問を感じる人もいることと思いますが、 それは人間として成長している証拠。 どんな変化が起こるかしっかり認識していれば何の心配もありません。 周りの友達と比べて成長が遅いと不安に思っている人もいるかもしれませんが、 成長には個人差があって変化がすぐ起こる人や、なかなか変化が起こらない人がいます。 心配せず、気長に大人になるのを待ってください。 異性を大切に思う気持ちも育ててほしいものです。 | |
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(1)思春期とは 9〜18歳ぐらいまでの第二次性徴が出現し、性機能が完成する時期をいいます。
(2)第二次性徴とは 第一次性徴とは、生まれてすぐ分かる男女の性器にみられる特徴(男性の精巣やペニス、女性の卵巣や外性器)をいいます。それに対して第二次性徴とは、思春期になってあらわれる、性器以外のからだの各部分にみられる男女の特徴のことをいいます。
(3)第二次性徴の起こるしくみ 思春期になると、脳内にある視床下部というところから、性腺刺激ホルモンを出すよう脳下垂体に命令が出されます。すると、脳下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌され、男性は精巣、女性は卵巣に作用し、精巣から男性ホルモン、卵巣から女性ホルモンが出されます。ホルモンは血液によってからだの各部分に運ばれ、男性として、女性としての第二次性徴があらわれるようになります。 (4)男性のからだの変化
(5)女子のからだの変化
(6)こころの変化 思春期には、からだだけでなく心にも変化が起こります。 特定の人が気になるようになり,好きな人に触れたい、愛されたいという性的欲求が起こります。特に男性は、精巣で精子がつくられるようになり、それを排出したいという欲求が起こるため、セックスしたいという欲求は女性より、男性の方が強くなるようです。
(7)個人差 第二次性徴の発現は思春期にありますが、そのあらわれる時期は人によってさまざまです。早い人もいれば遅い人もいて、周りの友達に比べ成長が遅くても心配はありません。 また、ペニスや乳房の大きさにも個人差があります。これは、一人ひとり顔や身長がちがうのと同じことです。他人のことは気にせず、自分らしく成長していくのを待っていてください。
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(1)生殖器 【外性器】
【内性器】
(2)乳房 乳房は男女どちらにもあり、思春期になるまでは、平らな乳房に乳輪、その上に乳頭がついているだけです。それが思春期になると、卵巣で作られるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の作用で、乳腺、乳管が発達し、そのまわりに脂肪がつき始め、乳房が大きくなります。
(3)月経 月経とは、周期的に膣を通って出血し、数日で止まるという現象ですが、そのしくみは複雑です。 【月経のしくみ】 女性は生まれたときから、おなかの中にある左右の卵巣に無数の原始卵胞を持っています。 思春期になると、脳内にある視床下部から卵胞刺激ホルモンを出すよう脳下垂体に命令が出され、脳下垂体から卵胞刺激ホルモンが出されます。卵胞刺激ホルモンは卵巣に作用し、卵巣の中にある原始細胞は活動を始め、卵子を含んだ成熟卵胞となります。この時、卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されます。その後、脳下垂体は、黄体化ホルモンを分泌し、卵巣を刺激します。これにより、卵胞から卵子が排出されます。これが「排卵」です。 排卵した卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、これらのホルモンのはたらきで、子宮内膜は厚くなり、受精卵が着床しやすい状態になります。この時、卵子が受精しなければ、プロゲステロンは減少し、なくなります。すると、子宮内膜も厚くなった状態を維持できずにはがれ落ち、膣から排出されます。これが「月経」です。これを一周期とし、月経が始まると再び脳下垂体から卵胞ホルモンが分泌され、同じサイクルが繰り返されます。 【月経の個人差について】 初経を迎える年齢、月経周期、月経日数、出血量には個人差があります。
初めての月経のことで、初経を迎える年齢は平均12〜13歳(小学校6年生〜中学校1年生)ですが、8歳(小学校3年生)で迎える人や、16歳(高校1年生)になってやっと迎える人など様々です。 しかし、16歳後半ぐらいになっても初経を経験していない人は、ホルモン分泌異常の可能性があるため、専門医に相談した方がよいです。
月経初日から次の月経の前日までをいいます。 25〜38日が正常範囲ですが、思春期には多少ずれがあり、毎回周期がちがっていても心配ありません。 しかし、ずっと規則的だったのが不規則になったり月経が止まったりして、その状態が長く続くようであれば、専門医を受診すべきです。
正常範囲では3〜7日ですが、思春期には不規則です。2日で終わったり、10日以上続いたりすることもあります。2週間以上続くようなときは、専門医で診てもらいましょう。
日によってちがうのが普通で、だいたい2日目をピークにだんだん減っていきます。出血量は人によって全くちがうし、周期によっても多いとき、少ないときがあります。ナプキン又はタンポンの交換はまめにしましょう。
(4)基礎体温 基礎体温とは、朝目覚め、まだからだを動かしていない状態で測定した体温のことで、女性は排卵と月経の周期により日によって変化があります。
(5)基礎体温の変化 女性の基礎体温を変化させるのは、卵巣から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)です。 月経から排卵が起こるまでの約2週間は低温が続きますが、排卵が起こると卵巣からプロゲステロンが分泌されるため、その作用で体温が上がり、高温が続きます。排卵後、妊娠しないとプロゲステロンの分泌はなくなり、約2週間後の月経が始まる頃には体温が下がります。
【基礎体温で分かること】
低温期から高温期に移る時期が排卵期です。その時期が最も妊娠しやすい時期で、基礎体温で避妊する場合は、精子の寿命3日と卵子の寿命1日を考慮して排卵期の3日前から排卵期最終日に1日たした期間のセックスを避けます。 しかし、低温期と高温期がはっきり分かれる人でないと、排卵期は分かりにくく、この方法は避妊法として有効ではありません。
低温期と高温期がはっきり分からなかったり、低温と高温がばらばらだったりする人は、排卵がない状態である可能性があります。思春期にはよくあることで、基礎体温を測り、記録を続けてしばらくは様子を見てもよいでしょう。
妊娠するとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が止まらないため高温期が続きます。よって高温期が3週間以上続く時は妊娠の可能性があります。 〜基礎体温の測り方〜
(6)おりもの おりものとは、子宮内の粘液や膣内の分泌物などが混じった液体で、初経が起こる頃から分泌され始めます。正常なおりものは、透明か白色で、ショーツについて乾くと黄色っぽくなり、甘酸っぱいにおいがします。おりものの量は、月経が終わると増加し始め、排卵期には最も多くなります。その後月経が近づくにつれ少なくなっていきます。 【おりものの異常】 量が多い、色がおかしい、悪臭がある、血が混じったおりものが続くなどの異常がある時は、STD(性感染症)や内性器の病気が心配されます。この状態が何日か続くようであれば受診すべきです。
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(1)生殖器 【外性器】
陰のうから突き出ている器官で、尿道が通っています。ペニスの先の丸みをおびた部分(亀頭)の先が尿道口となっていて、精液と尿がここから排出されます。大部分がスポンジのような海綿体組織でできていて、性的刺激によって血液が充満し、ペニスが硬くなります(勃起)。
股の間に左右2つ下がっている袋のようなもので、中に精巣(こう丸)と精巣上体(副こう丸)を収めています。
【内性器】
陰のうの中に収められていて、精子と男性ホルモンを生成しています。
精巣で作られた精子が一次的に貯えられます。その後さらに成熟し、精管に送り出されます。 【精子について】 新しい命を作り出す細胞。大きさは約0.1mm以下で、おたまじゃくしの形をしています。動く速さは1分間に2〜3mmで、寿命は約3日です。
2つの精巣上体から1本ずつ出ている管で、精子を前立腺に運びます。膀胱に沿っていて、精のうと合体し、膀胱の下で尿道と合流します。
寒天状の分泌物を作り出し、この液は前立腺で精子と混じり合い、精液として分泌されます。
膀胱の下にあり、尿道と精管のつながる部分を取り巻くようにあります。陰のうと前立腺の分泌物と精子が混じり合い、精液となります。
(2)ペニスの勃起 ペニスは、尿道を取り巻く尿道海綿体と、そのまわりにある陰茎海綿体というスポンジ状の組織によって作られていて、たくさんの細い血管が集まっています。性的な刺激を受けると、大脳が興奮して勃起中枢に作用し、海綿体に入る血液量が多くなることによって、ペニスが硬くなります。これが勃起です。
(3)射精 精子は精巣で作られ、精巣から精巣上体、精巣上体から精管を通って精のうに運ばれ、貯えられます。 ペニスが勃起し、性的興奮がピークに達すると、精液の通り道となるところ(精管、精のう、前立腺、ペニスの筋肉など)が収縮と弛緩を繰り返し、これによって精液は尿道を通り、ペニスの先端から勢いよく放出されます。これを射精といい、1回に2〜5mlの精液が排出され、その中には約3億もの精子が含まれています.射精後は、勃起中は閉じていた静脈弁が開き、海綿体内の血液は静脈に流れていき、海綿体への血液量も少なくなり、ペニスは元に戻ります。 ※精液と尿のどちらも尿道口から出ますが、勃起中は膀胱と尿道の筋肉は閉じるので、両方が一緒に出ることはありません。精通の時期や、精液の出る量、精子の数などは個人差があり、年齢によってもちがいがあります。 ※精通:初めての射精のことで、だいたい中学生から高校生の間に経験します。
(4)射精の仕方 【夢精】 思春期になると、精液が充満し、夜寝ている間に夢の中で、性的興奮を感じ、自然に射精してしまうことがあります。これを夢精といい、射精の直前に目覚めることもあるし、朝起きて下着が汚れていることで気づく場合もあります。 【遺精】 からだが起きている状態で、性的興奮やペニスに刺激を受けたときに精液をもらしてしまうことを遺精といいます。夢精と遺精は無意識のうちに起こる生理的現象です。 【マスターベーション】 自分の性器を自分でさわって刺激し、射精することです。自慰、オナニーともいいます。方法は人によって様々ですが、一般的にはペニスを軽く握り、往復運動を繰り返すことが多いようです。 【性交】 女性の膣内にペニスを挿入し、一定の運動を繰り返すことによって男性の性的興奮がピークに達し、射精することです。 性交にはパートナーが必要で、そのためには相手の同意を得、相手に責任を持つ意志がなければなりません。また、女性は性交によって満足感を味わえるとは限らず、男性は、自分だけ楽しめばよいという自分勝手はやめて、相手のことも考え行動すべきです。 【包茎】 包茎とは、亀頭部が包皮に覆われている状態をいいます。幼児期には誰もがこの状態で、思春期になると亀頭が露出するようになりますが、ならない場合が包茎です。 包茎には、手で包皮をむいても亀頭を露出することができない真性包茎と、手で包皮をむくと亀頭を露出できる仮性包茎の2種類があります。 真性包茎の場合は、手術をして亀頭を露出できるようにしないと炎症を起こしたり、陰茎がんの原因になる危険があります。仮性包茎の場合は、包皮内を清潔にするよう気をつければ特に問題はありません。
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