コミュニケーション
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これまでのコミュニケーションは、大きく2つに分けることができます。
対面型:代表的なものは、会って話す事ですが、電話で話したり、チャットをしたりすることも含めた、直接にコミュニケーションを取るやりかたです。すぐに情報が相手に伝わり、返事もすぐに聞く事ができます。その代わり、コミュニケーションをする人全員がコミュニケーションが始まってから終わるまで、同時に話を聞いたり文章を読んだりしなければなりません。つまり、相手の都合を考えなければいけないのです。携帯電話を、「自分の時間が取れない」という理由で使わない人は、このデメリットを重視しているのです。この方法では、返事をすぐにしなければならないので、文章型と比較すると、熟孝する時間はありません。
文章型:手紙やファックスなどの文章を書いて送るやり方。ビデオレターなども含めたもの。情報が相手に伝わって、相手からの返事が来るのに時間がかかります(ファックス1〜24時間、手紙3〜7日位)。しかし、相手が、相手の都合の良いときに読んだり、返事を書くことができます。ですからじっくりと熟考できます。
このような特質の違いから、対面型コミュニケーションは主に私生活に用いられ、文章型コミュニケーションは、本心(公的な)を知る、そして、証拠を残すという事から重要な公の事(契約など)に用いられます。
もちろん、例外はあります。例えば、勧誘などは、公に含まれるでしょうが、対面型が多く用いられます。それは、手軽であるという理由からでしょう。年賀状のように、私的なものでも、文章型が好まれることがあります。年賀状は、電話の無かった時代から続くもので、起源は平安までさかのぼることができ、現存最古の年賀状は、平安時代の学者、藤原明衡によるもので、彼の書いた手紙の例文集の「雲州消息(うんしゅうしょうそく)」には年始のあいさつの手紙文例があり、それが最古のものです。年始に遠方の友人に挨拶をするという習慣は、徐々に広がったらしく、江戸時代になると、飛脚が街道を走り、運ぶようになりました。明治維新後の1899年、「年賀特別取り扱い」によって、今のように12月に投函した年賀状が1月1日に届くようになりました。
このような慣習的なものの他に、文章型コミュニケーションは、お礼状など、比較的堅苦しいものに用いられます。
これからのコミュニケーションは、現代人の忙しさを繁栄して、文章型コミュニケーションのウェートが重くなるでしょう。たしかに、携帯電話を用いた対面型コミュニケーションは、緊急連絡などに残るでしょう。移動電話の台数が、固定電話(家庭や会社にある動かせない電話)の台数を上回った今、携帯電話はこれからの対面型コミュニケーションの主流になると考えられます。
しかし、いくら伝えたい情報があっても、相手が忙しくてつかまらなければ、何もなりません。そこで、威力を発揮するメールがコミュニケーションの広い範囲を占めるようになるでしょう。メールとは、ネット回線を通じて、メールアドレスを持っているパソコンを使って、文字によるコミュニケーションをするものです。これには、「情報の加工、付加が容易」「情報の伝達が速い」などの利点があります。
他の新時代のコミュニケーション手段にはホームページもあります。これは、作成者がネット上に提示したホームページを、リンクをたどったり、検索エンジンからたどるなどしながら、希望者が、閲覧するものです。ブロードバンド(DSL,光ファイバーを利用した、大容量の通信網)を利用することで、国際電話をインターネット経由で使ったり、電話のようにパソコンからパソコンへとコミュニケーションができるようになります。
ブロードバンドの時代には、まずは情報弱者にならない必要があります。それには、アンテナを張り巡らすことと、政府の支援が大切ですが、情報弱者にならなければ、自分の表現が技術によって阻害されなくなる未来こそ、自分の内面や、他人との関係が問われる時代になります。
そういっても、いわゆる「コミュニケーションのためのコミュニケーション」は残るでしょう。例えば、「おはようございます」「おはようございます」「今日は良い天気ですね。」「そうですね。」などの会話があったとします。この会話をコミュニケーションのためのコミュニケーションというのです。つまり、おはようございますといっても、何も朝が早いと言う事を言っているわけではないし、今日は良い天気だと言う事は、外を見れば分かります。それでも、このコミュニケーションは必要なのです。それは、コミュニケーションを円滑にするためのコミュニケーションであるからです。
ネットワーク上のチャットや掲示板などの中には、このようなコミュニケーションのためのコミュニケーションで埋まったものも多くありあます。それに、高校生の携帯電話での会話は、実体験から言うと、この類に入るものが多いと言えるでしょう。
では、なぜそれが必要なのでしょうか?それが、人なのです。他の人と話している(=つながってる)その事自体が意味を持つようになり、内容はどうでも良くなっているのです。
それを悪いとは言えません。人間関係の潤滑油には水を差す気は無いからです。第2の方向としての、ICQや、yahooメッセンジャー、携帯電話...など、コミュニケーションのためのコミュニケーションツールもこれから増えるでしょう。そして、都会化で、孤独を感じる人は、ますますここに逃げ込むことでしょう。気楽に会話ができる匿名のインターネットがその受け皿となるのです。
親子の交流は、思春期の子供がいる家庭では、非常に難しいことでしょう。それは、子供の価値観と親の価値観の違いがあるからです。一種の異文化間交流とも言えるほど、ジェネレーションギャップが開いてしまったのです。そこで、私達が話し合った結果、自分の考えを表すというホームページの特質を利用すればよいのではないかと考えました。子供が親と一緒にホームページを作るという共通の目標を持ち、様々な方法を考える中で、親は子供の考えを、子供は親の考えを知ることができるのです。結果として、お互いのコミュニケーションを促進できるのではないかと思いました。
この交流方法の問題点は、ホームページを作る技術にあるでしょう。ホームページを作ることができる技術のある親なら良いものの、パソコンを買い与えただけの親では、このやり方での交流は難しいでしょう。確かに、ホームページ作成ソフトは発達してきました。しかし、著作権の問題や、表現の問題、そして、ネットワークの安全性など、技術の壁がいまだに立ちふさがります。ですから、意欲がいくらあっても、交流に有益なホームページを作ることは難しいと言えるでしょう。そのような問題を解決してくれるのが、ボランティアの無料ホームページ製作です(委細は表現に)。
私達ProjectEは、このホームページ作成による親子交流を実践しました。作ったページは、Change the Worldです。これは、岡茉莉子ちゃんが、父親でProjectEコーチの岡亨先生と、チームメンバーの松尾剛行というボランティアが協力して、ホームページを作り上げていったというものです。
まず、松尾が、茉莉子ちゃんへメールをしました。今回のやり方は、基本的には「内容」は茉莉子ちゃんに作ってもらいますが、松尾がメールで質問をして、その質問に答えてもらうと、それにしたがって松尾がホームページを作り、できたページをどう直して欲しいか茉莉子ちゃんに教えてもらうという形です。まず、さまざまなフォントで、タイトルを作り、選んでもらいました。 タイトルの色や背景も選んでもらいました。 ホームページの背景は色や、絵を教えてもらいました。 どのようなコンテンツで、そのタイトルは何かを教えてもらいました。
コンテンツの説明文も教えてもらいました。その際、茉莉子ちゃんは、父親である岡先生と共同してメールをくれました。
松尾は、背景の画像や、リンク用のアイコンを作成しました。そして、コンテンツを送ってもらうよう、お願いしました。しかし、コンテンツを書くには資料が必要です。そこで、資料を添付しました。
岡亨さんと茉莉子ちゃんの合作であるコンテンツが送られてきました。
松尾はジオシティーズからスペースを借り、アップロードしました。この間に、1週間かかりました。
内容はv6でした。しかし、どのような内容でも、興味のあることは、自分から進んで行うもので、父と娘の協力がうまく進みました。メールを使った遠くのボランティアとの連携もうまくいき、茉莉子ちゃんは自分のページがどんどん作られるという実感を得ることができました。また、メル友との交流も盛んになりました。
岡先生の感想「子供と一緒にいる時間が増えました。自分の子供の教育に少しでも関われたという満足感があった。」
茉莉子ちゃんの感想「最初は本当に出来るのかと思っていたけど、何日かで本当にできるなんてすごいと思いました。HPにすることで、メル友もたくさん増えたので良かったです」
結果として、どちらもより生活を楽しむことができているようです。このように、新しい時代には、新しい時代のコミュニケーションを創造することで、より深い人間関係を創生することができるのです。
mariko(岡茉莉子)「Change the World」
<http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Vocal/5836/>
2000(2000年12月)
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