What?




日々、私たちを苦しめている「ストレス」。これは、一体何者なんでしょうか。
「ストレスは悪いものだ!」と決めつけてしまっている人が多いと思います。でも実は、ストレスは一概に悪いものだ、とも言えないんです。
ストレス。この言葉の意味と、それが私たちに及ぼす影響について、解説していきたいと思います。

1.ストレスとは…
2.ストレスの原因って?
3.なぜストレスが心や体に影響をおよぼすのか
4.良いストレスと悪いストレス
5.ストレスが「0」な状態




1.ストレスとは?

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ストレスとは、医学的にいうと「なんらかの刺激が体に加えられた結果、体が示したゆがみや変調」のこと。そして、その原因となる刺激のことを、ストレッサーといいます。
例えば、ゴムボールを指で押すと、ボールはゆがんだ状態になりますよね。これを「ストレス」といい、押している指を「ストレッサー」と呼ぶわけです。
指を離せば、当然ボールはもとの状態にもどります。しかし、いつもいつも押さえていたら、ボールはいつまでたってももとの状態には戻りません。
私たちの体にも、このボールと同じようなことがおこっているんです。

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2.ストレスの原因って?

ストレッサーは、大きく4つにわけることができます。



1.物理的ストレッサー…高温や低音による刺激、放射線や騒音による刺激など。

2.化学的ストレッサー…酸素の欠乏・過剰、薬害、栄養不足など。

3.生物的ストレッサー…病原菌の侵入など。

4.精神的ストレッサー…人間関係トラブル、精神的な苦痛、怒り・不安・憎しみ・緊張など。



この分類からもわかるように、「ストレス」というのはただ単に“精神的に負担がかかっている”状態だけでなく、例えば「病気で苦しい」とか「酸素が薄くて苦しい」などの、身体的苦痛のことも指しているようです。
しかし、この中で、「ストレスがたまっている」と感じる人を悩ませている原因のほとんどは、4番目の精神的ストレッサーです。このストレッサーは、4つの中で一番複雑で、解決も困難です。
また、3の生物的ストレッサー(目が疲れている、頭が痛いなど。)も、ストレスを生み出す原因となることが多いようです。

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3.なぜストレスが心や体に影響をおよぼすのか

自律神経という言葉、誰でも一度は聞いたことがあると思います。
この自律神経は、私たちの意志とは無関係に、心臓や胃腸、血管、汗腺など、あらゆる内臓を支配して、その機能を調節しているものです。ストレッサーに対しても、この自律神経が仲介役となって、体内で「防衛体制」が整えられています。
そのため、ある程度のストレッサーなら、体に異常をきたすことはありません。(精神的にダメージをうけることはあるかもしれませんが…)
しかし、ストレッサーによる刺激が度を越すと、その「防衛体制」は破壊されてしまい、体には心拍の増加、血圧の上昇、筋肉の緊張などの変化があらわれます。そして、この状態がそのままさらに続くと、疲労がたまり、円形脱毛症、ノイローゼ、そううつ病、果ては精神分裂病などまでひきおこしてしまいます。

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4.良いストレスと悪いストレス

このページの最初でも言いましたが、ストレスは一概に悪いものだとは言えず、良いストレス、というのも存在するんです。


そもそも、ストレスとは本来、生物が外的あるいは内的な刺激に適応していく過程そのものを概念化したものなんです。分かりやすく言うと、気候が変わればそれに適応し、飲み水が変わればそれに適応し、心理的なショックを受ければそれに適応していく、そうした環境に適応していく時の反応とその過程のことをストレスという、ということです。

つまり、刺激に対する反応全てを「ストレス」と言うことができることになります。
その反応には、当然良い反応もあれば、悪い反応もある、ということになります。少しわかりにくいので、例をあげて説明します。



■よいストレス
 (eustress)


「よいストレス」とは、例えば、目標、夢、スポーツ、よい人間関係など、自分を奮い立たせてくれたり、勇気づけてくれたり、元気にしてくれたりする刺激とその状態です。
こうした「よいストレス」が少ないと、人生は豊かにはなりません。


■悪いストレス
 (distress)

「悪いストレス」とは、例えば、過労、悪い人間関係、不安など、自分のからだやこころが苦しくなったり、嫌な気分になったり、やる気をなくしたり、まわりの人に何らかの迷惑を及ぼしてしまったりするような刺激とその状態のことをいいます。



そのため、同じストレッサーが原因でも、人によって異なる種類のストレスをうける、ということがあります。
例えば、スポーツの好きな人には、スポーツはよいストレス状態を引き起こすけれど、スポーツの嫌いな人には嫌な気持ちを起こさせてしまう、とか
ある目標や期限をバネにしてがんばる人もいるけど、一方で、同じ目標や期限を、しかたなく果たさなければならないノルマ、迫り来る締切と感じて自分を苦しめる人もいる
といった感じです。
悪いストレスを感じるか感じないかも、気の持ちよう、ということでしょうか(^^;)


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5.ストレスが「0」な状態

恐らく誰もが「ストレスなんてなければいいのに!」と思っているのではないかと思います。
でも、それって本当に可能なことなんでしょうか?

1,2,3の項目を読んでいただければ、大体ストレスが何なのかはお分かりになっていただけると思います。
確かに、悪いほうのストレスは無いに越した事はないでしょう。でも、悪いほうのストレスを避けて通るばかりで、「刺激」から遠ざかって生きていく事は、かえってよくないということもあるんです。
ひとつ、面白い例をあげてみます。

アメリカでの心理学者が、ある実験を行いました。
人間が、ストレス(刺激)が全く無い部屋(静かで、無臭で、光のない、温度が一定の部屋)で過ごすとどうなるかを調べる、というものです。その結果、被験者には色々な異変がおこりました。
被験者の身におこった異変は、以下のとおりです。

1.体温調節機能の低下 …気温の変化に合わせ、汗を出したり鳥肌を立てたりして体温を調節する働きが、にぶくなった。

1.暗示にかかりやすくなる …何か指示されると、間違った指示であろうとそれに従ってしまう。例えば、「もう立っていられない」と言われると、言葉通りに足の力が抜けてしまう。

1.幻覚・妄想 …刺激(ストレス)から隔離してマインドコントロールし、社会的に問題になった例も多い。


このように、まったくストレスのない状況では、心と体のバランスがとれないのです。


結論!!

適度な「よいストレス」を持つようにし、その一方で、「悪いストレス」は、できるだけ少なくし、あるいは、何とかそれに対処していくこと(ストレスを解消する、受け止め方を変える、など)が重要なんです。
…悪いストレスを少なくするには、リラックスをするのが一番です!
さっそくHow?のページに進みましょう。

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