オゾン層の破壊
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@ オゾン(ozone)とは?
@O3のことです。Oとは酸素のこと。 つまりオゾンとは酸素が3つ集まった物です。
オゾンは毒で,吸いすぎると死んでしまいます。また,ozoneの語源であるギリシャ語のosein。これは,におう,かぐこと、という意味です。オゾンのにおいは,皆さんも嗅いだ事があるかもしれません。例えばコピー機。コピー機のそばに行くと,たまに生臭い匂いがしたりしませんか。それがオゾンのにおいです。
Aオゾン層とは?
A 成層圏にあるオゾンの層です。
( 成層圏とは,地球と宇宙の間の4つに分けられる層の一つ。)下のほうから順番に対流圏・成層圏・中間圏・熱圏となっています。だいたい,地上10km〜60kmまでが成層圏です。オゾン層とは,地上25km〜45kmにあるオゾンの密度が高いところのことです。(つまり,オゾンがたくさんあるところ。)
B オゾン層は何をしているの?
B 有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守っています。
( 紫外線は目に見えない光です。)太陽からの光には,可視光線・紫外線・赤外線・電磁波があります。まず,紫外線について知る前に光は波だと考えてみて下さい。可視光線とは,文字どおり目に見える光のことをいいます。波長が長い方から言うと,赤・橙色・黄色・緑・青・赤紫・紫の七色の光です。紫外線とは,可視光線の中で一番波長の短い紫色の光よりもさらに波長の短い光のことです。ちなみに赤外線とは,可視光線の中で一番波長の長い赤い光よりもさらに波長の長い光のことです。
紫外線は浴びすぎると生物にとって有害です。少しの量ならば、肌が日に焼けるぐらいですみますが、浴びすぎると、皮膚ガンになったりして、命を落とす場合もあります。
また、穀物などの農業生産の減少も心配されます。
Q2 オゾン層の破壊の原因は?
(オゾン層はなぜ壊れるのか)オゾン層の破壊とは紫外線を吸収する働きをもっているオゾン層を破壊してしまう現象です。
原因はフロンです。フロンは炭化水素の水素を塩素やフッ素で置き換えた数多くの物質の総称です。これらの中で、水素を含まないものはクロロフルオロカーボン(CFC)と呼ばれています。フロンは他の物質と反応せず、ほとんど無毒です。圧力に応じて容易に気化、液化を繰り返して、種類によっては、油をよく溶かすなど、便利な性質を持っていて、冷蔵庫やエアコンの冷媒、電子回路などの精密部品の洗浄剤、クッションやウレタンなどの発泡剤、スプレーの噴射剤などに広く使用されてきました。フロンは便利な現代生活を陰でささえてきたのです。
特定の種類のフロンは化学的に安定な物質なので、工場などから大気中に放出されると、対流圏ではほとんど分解されずに成層圏に達します。成層圏において太陽からの強い紫外線を吸収して分解し、塩素原子を放出しますが、この塩素原子がオゾンを酸素分子に分解します。
この反応は、塩素原子1個につきオゾン分子数万個を連鎖的に分解するため、多数のオゾン分子が次々に破壊されます。よって、フロンの大気中への排出を今すぐやめないと、オゾン層の破壊がますますひどくなります。
オゾン層の破壊の原因となる物質はフロン以外に、消火剤として使われるハロン、洗浄剤等に使われているトリクロロエタン、溶剤や、フロンの原料の四塩化炭素、農薬として使われている臭化メチルなどがあります。
大気中のフロンなどの増加
↓
オゾン層の破壊
例:@南極上空では4年連続して過去最大規模のオゾンホールが観測されています。
A日本でも札幌上空でオゾン層の減少傾向が確認されています。
南極のオゾンホール オゾン全量分布図
↑1979.10 ↓1996.10
(地球環境キーワード事典)↓
地上では、有害な紫外線が増加
例えば…
上空のオゾン全量の1%の減少により、地上に到達する紫外線は約2%増加すると考えられています。↓
紫外線の増加は人の健康や生態系への悪影響を生みます。
例えば…
@オゾンの量が1%減少すると、皮膚ガンの発症が2%増加し、白内障の発症が0.6〜0.8%増加すると推定されています。A海洋生態系の基礎となる浅海域の動植物プランクトンに致命的な打撃を受けます
B穀物等農業生産の減少も懸念されています
C光化学スモックの悪化(予測)
Q3 国レベルの対策は?
A3
1985 「オゾン層の保護に関するウィーン条約」制定
初めて国際的にオゾン層破壊について取り組んだ会議で、国際共同研究で、各国が適切と考える対策の実施を内容としました。
南極域上空においてオゾンの量が極端に減少するオゾンホールという現象が観測され、国際世論に衝撃を与えました。1987 「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択
5種類の特定フロン(CFC)3種類の特定ハロンの生産量の削減が合意されました。
その後、既定のオゾン層保護対策が不十分であるおそれが強まってきたことから、1990年以降の締約国会合で一層の規定強化が採択されています。
日本の対策
日本は1988年9月、ウィーン条約およびモントリオール議定書に加入しました。そして、条約および議定書に定められた国際約束を国内において、的確に行うため、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(オゾン層保護法)を制定しました。
Q4 私たちにできることは?
@フロンの回収
主なオゾン層の破壊物質については、1995年末に生産を中止しました。
フロンの回収・破壊は製造者・販売者・消費者・解体業者など…関係者すべてが社会全体として取り組む必要があります。
例えば、自動車を廃車するときに解体にまわす前にカーエアコンのフロンの回収をしてもらいましょう。Aフロンを使わない商品の開発
やはり、はじめから、フロンを使わなければ問題はありません。最近フロンを使わないスプレーなどが減ってきてはいますが、皆さんはフロンが使われている製品を買わないようようにしましょう。