京都議定書

@京都議定書とは

気候変動枠組条約に基づき、1997年12月に開かれた地球温暖化防止京都会議で採択されました。

全28条と2つの付属書からなっていて、先進国に対して温室効果ガスの排出量削減の具体的な目標をたてて、先進国全体で、温室効果ガスを約5%削減しようとするもの。

A対象となる温室効果ガス

二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF)を加えた六種類。

B基準とする年

1990年(HFC、PFC、SFは1995年)

C吸収源の取り扱い

1990年以降の新規の植林、再植物、森林の減少によって増減した温室効果ガスの吸収量を排出量から差し引く。

D最初の目標期間

2008年から 2012年(この5年間の合計排出量を1990年比で削減)

E削減目標

先進工業国全体の対象ガスの人為的な総排出量を、基準年に比べて、全体で少なくとも、5%削減すること

F主要国の温室効果ガスの排出削減目標

欧州連合(EU)は−8%、米国は−7%、日本は−6%、カナダは−6%、ロシア0%。

ロシアの目標は0%ですが、経済の混乱のため、二酸化炭素排出量は1995年の時点で30%減少しています。この余った割当量はホットエアと呼ばれ、他の先進国に安く売られれば、その先進国の国内排出量の大幅な増加を容認することになってしまいます。

京都議定書の特徴

その1:先進国の温室効果ガスの削減を義務づけました。
(先進国全体で90年から5%削減)数値目標は国ごとにちがいます。

その2:「京都メカニズム」と呼ばれる、柔軟性措置が盛り込まれています。

@排出量取引−国内削減の代わりに安く削減できる他国から買う仕組み

A共同実施−先進国間で共同して削減プロジェクトを実施し、生じた削減分を投資国が得る仕組み

Bクリーン開発メカニズム(CDM)−先進国と途上国間で共同して事業を実施することができる制度

これらの措置は、事実上国内で削減をおろそかにしてしまう危険性があります。

その3:森林による二酸化炭素吸収量のの一部も削減とみなされる。

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