動詞の活用2

前項で説明した活用の9種類についてそれぞれ詳しく説明します。
ルールが種類によって特殊な物もあるので、ゆっくり理解していきましょう。
仕組みさえ飲み込めば簡単です。

◎活用の種類

活用形がどういうものかを知ったら、次は活用の種類について知りましょう。
先に書いたとおり、動詞の活用の形には、四段、上一段、上ニ段、下一段、下二段…など、9種類の異なる活用があります。

これは、活用の仕方が、動詞によって違ってくることから、種類分けされているのです。
下のリンクからそれぞれの解説に飛ぶようになっています。初めは一つずつ見ていきましょう。下のリンクからそれぞれの先頭へ飛ぶことが出来ます。
 

◎四段活用 ◎上ニ段活用 ◎下二段活用 ◎上一段活用 ◎下一段活用
◎カ行変格活用 ◎サ行変格活用 ◎ナ行変格活用 ◎ラ行変格活用

◎四段活用

四段活用の動詞は、古文動詞になる際「咲く→咲く」と形を変えない動詞です。どう活用するのかというと・・・

咲く→咲く
活用形
未然→ 咲か(a) |ず
連用→ 咲き(i) |て
終止→ 咲く(u) |。
連体→ 咲く(u) |こと
已然→ 咲け(e) |ど
命令→ 咲け(e)  
カ行

のように活用します。「咲く」を例にとりましたが、どうして四段活用なのかというと、「ず」や「て」、「。」の前の文字を見てください。つまり「行」の部分ですね。
こうすると解り易くなりますが、(かっこ)のなかのローマ字は、その付く(音)を表しています。

この四段活用動詞、「咲く」は、この(音)、つまり
語尾の母音が(ア)(イ)(ウ)(ウ)(エ)の4音とつながるので、四段活用というのです。
四段活用する動詞の見分け方は、未然形「〜ず、〜ない」に活用させてみたとき、その前の語尾が(ア)、つまり「〜aない」となるかどうか確かめてみることです。

例えば「書く」、「走る」だったら、「〜ず、〜ない」を付けてみて、

「書く」+〜ず→「書か(a)ず」⇒四段活用
「走る」+〜ない→「走ら(a)ない」⇒四段活用

といえるのです。覚えておいてくださいね。「〜aない」とならない動詞は、全て四段活用以外の動詞です。
そのなかで、
「〜(i)ない」となったものが上二段、「〜(e)ない」となるものが下二段活用なのですがそのわけと内容については下で説明します。

四段活用と言うのは、このように活用するのだ、と覚えておいてください。
ちなみに、咲く、の未然形を書け、と言われたら、「咲か」、と答えなくてはなりません。「〜ず」は未然形に続きますが、動詞の活用の一部ではありません。
未然形は「〜ず」と覚えておけば、「咲く」を簡単に「咲か(ず)」に活用できると思います。他の動詞についてもこれは同じなので、迷うことはありません。

下に例を挙げていきます。

基本形 未然(て) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
脱ぐ 脱が 脱ぎ 脱ぐ 脱ぐ 脱げ 脱げ ガ行
立つ 立た 立ち 立つ 立つ 立て 立て タ行
笑ふ 笑は 笑ひ 笑ふ 笑ふ 笑へ 笑へ ハ行

◎一寸法師でレクチャー
親にかやうに思はるる口惜(くちお)しき次第(しだい)かな、いづ(かた)へも行かばやと思ひ・・・
ここに出てくる動詞は全て四段動詞ですね。「思ふ」は「思は(a)ず」だから四段、「行く」は「行か(a)ず」なので四段です。
「行かばや」は「ばや(〜したい)」、という意味の助詞で、その「ばや」の上に付いているために「行く」が未然形になり、「行か(ず)」の「行か」に活用している訳です。
「行く」と「ばや」をくっつけて「行きたい」という意味にしたいとき、「行く」は未然形にして『「行か」ばや』、としなければなりません。
活用はこのためにあるわけなのですが、これは『接続』と言って、言わば「言いやすくするための要素」です。これは決まったことで、助動詞にもありそれぞれ接続は語ごとに決められています。
詳しくは助動詞1で勉強してみてください。

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◎上ニ段活用

上二段活用は、四段活用で言ったところの(ア)(イ)(ウ)(エ)…の部分、語尾の母音が、五十音図のイ、ウの段に活用するものです。
数が多い物なので、しっかり抑えましょう。下のように活用します。

過ぎる→過ぐ

活用形
未然→ 過ぎ(i) |ず
連用→ 過ぎ(i) |て
終止→ 過ぐ(u) |。
連体→ 過ぐる(uる) |こと
已然→ 過ぐれ(uれ) |ど
命令→ 過ぎよ(iよ)

「過ぐ」、カ行上二段活用の動詞です。過ぎるの否定形(〜ない)を考えて、「過ぎ(i)ない」なので、上二段の動詞と分かります。

特徴的なところはどこかというと、特に
連体、已然の形が、四段活用動詞とは違いますよね。
少し見慣れない形、「過ぐる」、「過ぐれ」となっています。このように、上二段では、連体形と已然形が、それぞれ「uる」「uれ」となるのです。少し違和感があるかもしれませんが、くり返し唱えて定着させてしまえば大丈夫です。已然形を、現代語と同じように考えて『過ぎれど』としないよう注意して下さいね。

古文だからこう変わるのだ、と割り切って覚えましょう。
表を見ればお分かりのように、活用形の母音は
(イ)(イ)(ウ)(ウる)(ウれ)(イよ)、つまり(i)(u)の2段にしか活用しません。この活用の仕方さえ覚えてしまえば、上二段の動詞の見分け方も簡単なので、かなり理解しやすいと思います。

(例

基本形 未然(て) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
生く 生き 生き 生く 生くる 生くれ 生きよ カ行
落つ 落ち 落ち 落ちつ 落つる 落ちれ 落ちよ タ行
老ゆ 老い 老い 老ゆ 老ゆる 落ちれ 落ちよ ヤ行

※ 上の「老いる」が「老ゆ」ヤ行になっているのに気付きましたか?「老い(i)る」なのでア行かと間違えやすいのですが、ア行活用する動詞は一つ、「得る」の「得(う)」しか無いので、それを頭に置いておけば大丈夫です。
迷ったら、このことを思い出してください。
ア行活用の動詞は、たった一つ、『得(う)』、のみです。

◎一寸法師でレクチャー
・さりながら、生まれおちてより後、背一寸(いっすん)ありぬれば、やがてその名を一寸法師(いっすんぼうし)とぞ名づけられたり
住吉すみよし御誓おんちかひに、末繁昌すえはんじやう栄えたも、世のめでたきためし、これに過ぎたることはよもあらとぞ申しはべける
生まれおちて、がそうですね。生まれると落ちるがくっついた動詞ですが、「生まれ落ち(i)ず」となるので上二段動詞と分かります。
上二段の動詞は一寸法師には少ないのでしょうか、少ししか見つけられませんでした。「て」に続いているので、連用形として「生れ落ち」となります。もう一つ有りました。一寸法師最後の一文です。
これも例と同じですが、過ぎたる、の過ぎがそうですね。助動詞「たる」は存続の意味を持ちます。訳は「過ぎている、過ぎる」となりますね。

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◎下二段活用

大体予想はつくと思いますが、下二段活用は上二段活用の逆バージョンです。下のように活用をします。

受ける→受く

活用形
未然→ 受け(e) |ず
連用→ 受け(e) |て
終止→ 受く(u) |。
連体→ 受くる(uる) |こと
已然→ 受くれ(uれ) |ど
命令→ 受けよ(eよ)

「受け(e)ない」となりますから下二段活用となります。上二段と同じように、(エ)(エ)(ウ)(ウる)(ウれ)(エよ)、と(e)(u)の二段に活用するわけなのですが、他の部分でも(uる)(uれ)など)同じように覚えられる部分があります。
上二段よりも数は多いものなので、
「〜(e)ない」となるものは下二段。これを覚えておいてください。

基本形 未然(て) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
得(う) うる うれ えよ ア行
逃ぐ 逃げ 逃げ 逃ぐ 逃ぐる 逃ぐれ 逃げよ ガ行
果つ 果て 果て 果つ 果つる 果つれ 果てよ タ行
聞こゆ 聞こえ 聞こえ 聞こゆ 聞こゆる 聞こゆれ 聞けよ カ行行
植う 植ゑ 植ゑ 植う 植うる 植うれ 植ゑよ ワ行

上二段で説明した、ただ一つのア行活用「得(う)」は、「得る」→「得(e)ず」なので下二段の活用になります。あらゆる行の活用がある下二段なので、「これはどうするんだろう」というものも出てくるかと思いますが、上の例を見れば大体カバーできると思います。よく確認してください。
上の「植う」がワ行なのはなぜかというと、
古文ではア行、ヤ行、ワ行の見極めが必要なのです。現代文ではごっちゃにしてしまう部分ですが、古文だとこのような違いがあります。

ア行
ヤ行
ワ行

上のように、古文では「い」「え」がア行とヤ行で、「う」がア行とワ行で、かぶってしまっているのです。しかし、「ア行は得(う)だけ」ということを覚えておけば、ヤ行とワ行ではかぶっているところは無いので大丈夫。
分からなくなってしまったときはこの図を思い出してください。

◎一寸法師でレクチャー
住みなれ難波なにはの浦を立ち出でみやこいそぐ我が心かな
おおじとうばに家を追い出され都へ旅に出るときに、一寸法師が読んだ句です。
「住みなれ(e)ず」なので下二段、「立ち出で(e)ず」なので下二段活用になります。「いそぐ」はというと、「いそが(a)ず」なので・・・・・・四段動詞です。分かりまししたか?
ここには過去形の意味をもたせる助動詞「し」がありますが、接続は未然形なので、「住みなれ(ず)」が乗っかって、「住みなれし」となります。
だから意味は「住みなれた」と過去形になるわけです。この「し」はよく使われる上、活用が「せ、○、き、し、しか」と特殊な形なので、注意が必要です。

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◎上一段活用

上一段活用は、五十音図でいうところのイの段、つまり母音が(i)1段にしか変化しない活用をします。考えてみても、あまりどういうものか想像できないし、見つけられませんよね。
上一段は、数が少ないので、これさえ覚えてしまえば大丈夫です。
「〜(i)る」で言い切る動詞なら、上一段。さらにわかりやすくいうと、覚えるのは「きる・いる・みる・にる・ひる」の五つの音だけで結構です。
着るを例にとってみます。

着る→着る

活用形
未然→ 着(i) |ず
連用→ 着(i) |て
終止→ 着(i)る |。
連体→ 着(i)る |こと
已然→ 着(i)れ |ど
命令→ 着(i)よ

全て、(イ)に付いていますよね。だから、上一段活用というのです。現代語ともさほど変わったところはないので、簡単に覚えられると思います。覚えるのは「きる・いる・みる・にる・ひる」の五つの言葉だけです。リズムで覚えましょう。
「キ、ミ、ニ、イ、ヒ!」でも楽しくて良いですね。他のものも挙げておきます。

基本形 未然(ず) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
煮る 煮(に) 煮(に) 煮る 煮る 煮れ 煮よ ナ行
干る 干(ひ) 干(ひ) 干る 干る 干れ 干よ ハ行
見る 見(み) 見(み) 見る 見る 見れ 見よ マ行
射る 射(い) 射(い) 射る 射る 射れ 射よ ヤ行

他にも、最後に「みる」が付く動詞、「試みる」「顧(かえり)みる」なども上一段活用なので迷わないようにしてください。

◎一寸法師でレクチャー
不思議ふしぎ思ひ見れば、逸興いっきょうなるものありけり
簡単ですね。「きる・いる・みる・にる・ひる」を探せばいいわけですから、当然「見れば」の「見れ」です。
では活用形を考えてみましょう。頭の中で「見ず、見て、見る、見ること・・・」と活用させていくと、そうです已然形ですね。
上の表で確認してみてください。こういう風に考えていくと、活用形などを聞く問題にも答えられます。

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◎下一段活用

下一段はとても簡単です。なにせ下一段活用する動詞は「蹴る」ひとつのみだからです。
上一段とは逆に、
(e)の一段にしか活用しません。

蹴る→蹴る

活用形
未然→ 蹴(e) |ず
連用→ 蹴(e) |て
終止→ 蹴る(e) |。
連体→ 蹴る(e) |こと
已然→ 蹴れ(e) |ど
命令→ 蹴(e)よ

全て、(エ)の音についています。よって下一段活用と呼ばれるのです。下一段活用は「蹴る」のみ。これさえ覚えてしまえばOKです。
細かい形についてもくり返し唱えて覚えてしまいましょう。「蹴ず(けず)」「蹴て(けて)」など、違和感のあるものも有るので、その辺り迷わないようにしましょう。

◎一寸法師でレクチャー
(なし)
レクチャーを付けたかったんですけど、どうも見つかりませんでした・・・残念!

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◎カ行変格活用

まず、変格活用とは何かを考えましょう。変格活用というのは、四段(正格)などの一定の規則による活用ではなく、つまり正格によらない変わった活用のことです。
カ行変格活用とは、カ行で普通ではない変わった活用のことなのです。

非常に簡単で、
下一段と同じく一つしか有りません。「来(く)」のみです。「〜ない」を付けて「〜来(こ)ない」、「こ」を(u)音に変えて、「来(く)」となります。

来る→来(く)

基本形
未然→ 来(こ) |ず
連用→ 来(き) |て
終止→ 来る |。
連体→ 来る |こと
已然→ 来れ |ど
命令→ 来よ

そこかしこが四段活用などの活用とは違いますね。已然形に少し違和感を感じるかもしれませんが後のことは大丈夫だと思いますので、頑張って覚えましょう。
「こず、きて、く、くる、くれ、こよ・・・」なにがしかの呪文のようですが、言わばそれは古文マスターのための言葉です。

◎一寸法師でレクチャー
船よりあがり一寸法師いっすんぼうしはここかしこと見めぐれば、いづくともなくおに二人たりて・・・
ありました!鬼にちょっと感謝です。「たり」は完了の意味になるでしょうか、存続の意味になるでしょうか・・・ちょっとここでは微妙なところです。
さて、来たり、の「来」の活用形を考えてみてください。「来」の部分だけでは難しい、というか分かりかねますね。そこで、目をつけるのが後に続いている「たり」です。
「たり」の接続を考えてみると、(ここは後で学習するところなのでとりあえずと思ってください。)連用形接続です。そこまでわかって初めて、この「来」は連用形である、と分かる訳ですね。
助動詞の勉強も大切です。先に見たいという方は助動詞2、「たり、り」へどうぞ。

◎サ行変格活用

これも変格活用なので正格によらない変わった活用をします。サ行変格活用の動詞は二つしか有りません。「す」「おわす」だけです。活用の仕方は二つとも同じなので一つ覚えてしまえば簡単です。

基本形 未然(ず) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
する すれ せよ サ行
おはす おはせ おはし おはす おはする おはすれ おはせよ サ行

現代文とさほど変わりも無いので簡単に飲み込めると思います「せ(ず)、せ(て)、す、する、すれ、せよ」もしくは「せ、せ、す、する、すれ」・・・と唱えて覚えましょう。
覚えやすいですよね。いずれは漢文にも関係してくる活用の形です。沢山有りますがもう少しですのでファイトです。

◎一寸法師でレクチャー
・さるほどに、宰相殿さいしやうどのに十三にならたもふ姫君おはします
・いかにもあんめぐらし、我が女房にやうぼうばやと思ひ・・・
「おわします」は一つで動詞、と見るわけですが、おわし、なので連用形ですね。後にはまる(。)が続いているので終止形の様なのですが・・・面白いところです。
二つ目には「する」が二つ出てきていますね。はじめは「し(て)」なので連用形、あとのものは、四段活用でも紹介した「ばや(したい)」という助詞に続いているので、形から見ても分かりますが未然形となります。
「ばや」は未然形接続、といわけです。
する、おわすの二つだけですが、「する」という動詞は沢山使われているので、下の原文カラーで探してみてください。

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◎ナ行変格活用

ナ行変格活用もサ行と同じく2つ動詞を覚えるだけで結構です。現代文と実に似ていますから違和感もあまり無いと思います。
ナ行変格活用する動詞は「死ぬ」と「去(い)ぬ」のみです。

基本形 未然(ず) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
死ぬ 死な 死に 死ぬ 死ぬる 死ぬれ 死ね ナ行
去ぬ 去な 去に 去ぬ 去ぬる 去ぬれ 去ね ナ行

「去ぬ」、というのは居なくなるという意味です。「死ぬ」を覚えてしまえば同じように活用させることが出来ますね。
ナ行変格活用は四段活用とそっくりなので覚えなくても言えそうですね。連体形と已然形が特殊な形になっているので、それさえおさえてしまえばOKです。

◎一寸法師でレクチャー
(なし)
どうも見つかりませんでした・・・またしても残念!

◎ラ行変格活用

ラ行変格活用の動詞は「有り(あり)・居り(をり)・侍り(はべり)・いまそかり」の四つ。語尾が「〜り」になっているものがラ行変格活用と言っていいでしょう。上一段活用と同じようにリズムで覚えられます。

基本形 未然(ず) 連用(て) 終止(。) 連体(こと) 已然(ど) 命令
あり あら あり あり ある あれ あれ ラ行
をり をら をり をり をる をれ をれ ラ行
侍り 侍ら 侍り 侍り 侍る 侍れ 侍れ ラ行
いまそかり いまそから いまそかり いまそかり いまそかる いまそかれ いまそかれ ラ行

特徴的なところは終止形が「〜u」と(u)音で終わらず、「〜り(i)」となっていることです。そこを覚えておけば、しっかり覚えられると思います。
色々な動詞の活用形を見てきましたが少しずつ覚えて、慣れて行くのが肝心です。ある法則を覚えてしまえば、きっとそんなに難しいことも無いと思います。
くれぐれもまぎらわしい動詞に引っかかったりし無いように注意してくださいね。
また、古文版一寸法師原文を動詞,助動詞、形容詞の3色に色分けした『原文カラー』で、この動詞について復習してみることもお勧めします。

◎一寸法師でレクチャー

・中ごろのことなるに、津の国難波(なには) の里に、おほぢとうばとはべ
不思議ふしぎ
思ひ見れば、逸興いっきょうなるものありけり

まずは冒頭一番目の一文。「侍り」ですが、活用形を考えてみると・・・分かりますよね。まる(。)に続いている訳ですから、完璧に終止形です。
侍る、という言葉は現代語にはあまり見かけませんが、古文ではよく出てくる動詞です。意味は「居る」、といったところでしょうか。
「ありけり」の方は、「けり(過去形)」の助動詞に続いています。「けり」は、連用形接続の助動詞なので、この「あり」は連用形ということになります。
連用形と終止形が同じなので迷いやすいのですが、こういった近くにあるヒントから活用形を見つけられるようにしましょう。
そのためには助動詞などの接続を覚えなくてはなりませんが、頑張りましょう!

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