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■五章 「天気輪の柱」
あああの白いそらの帯がみんな星だというぞ。
ジョバンニが、黒い丘に寝転びながら思ったこと。ジョバンニは空を見上げながら授業の時の先生の言葉を思い出していた。ジョバンニは先生の言うように、銀河ががらんとした冷いところだとは思えなかった。みればみるほど、そこは小さな林や牧場やらある野原のように考えられて仕方なかった。銀河を見ていたジョバンニは、だんだん眼の下のまちまでがぼんやりしたたくさんの星の集りか一つの大きなけむりのような気持ちになっていった。