働き

各国が競い合う歴史を経てやっと世界中に広まったスパイス。世界中の人々を引きつけるスパイスの香り、風味、色…。ここでは、スパイスのいろいろな働きに注目してみましょう。

スパイスが持つ数多くの効用
スパイスには、料理に「
香りを付ける」、「独特の辛味や味わいをつける」、「色を付ける」などの基本的な働きがあります。これらの働きに加えて、素材の臭みを消す作用抗菌作用抗酸化作用抗カビ作用など数多くの効用をもつことも、古くより知られていました。冷蔵庫のない時代、これらの効用は非常に重要でした。一部の代表的なスパイスの効果を図にしてみました。↓もちろん他にもたくさんあります。それぞれの詳しい内容はスパイスの種類のページで・・・。


スパイスの香りの素は精油成分
スパイスの香りをどう使うかで料理のできばえが決まるといわれるほど、スパイスの働きの中でも
香りは重要です。この芳香の素は、スパイスが持つ揮発性の精油成分にあります。含まれている精油成分の量が多いほど芳香が強いということになりますが、ほとんどのスパイスはほんの数パーセントしか精油を含みません。しかもこの精油成分は1種類だけではなく、何種類かが組み合わさって特有の芳香を生み出しているのです。

辛味成分も千差万別
 「
辛い」とか「刺激的」という印象の強いスパイスですが、辛味を持つスパイスは意外にもスパイス全体の1割弱ほどしかありません。とはいっても胡椒や唐辛子、マスタードなどは何といってもスパイスの代表的な存在です。こうしたスパイスの辛味についても、香りの場合と同じように、独特の成分ごとに辛味が違っているのです。たとえば、ピペリンとシャビシンという辛味成分を持った胡椒やカプサイシンを持った唐辛子などは口の中が熱くなったり舌がヒリヒリする辛味、イソチオシアネートを辛味の主成分とするマスタードやホースラディッシュ、山葵などはツーンと鼻を刺す辛味、生姜の辛味はジンゲロンによるもの、といった具合です。素材との相性を考えてスパイスを使い分けるのも、楽しみのひとつです。

スパイスの効用を知って食卓に活かす
それぞれのスパイスの効用については、現在でも
風邪薬健胃剤に使われる例は少なくありません。また最近では、アロマテラピーにも用いられて、精神安定効果などが認められています。スパイスを使うことによって塩分を控えめに料理を仕上げることができるのもあまり知られていませんが、料理がおいしくなるばかりでなく体にもよいとなれば、これを使わない手はありません。健康のためにも、ぜひスパイスで毎日の料理を工夫してみませんか。




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