
スパイスには様々な働きがあります。その働きを知って、次に考えたいのが、スパイスの上手な使い方。スパイスの特性を活かした使い方、保存法を紹介します。
世界には何百種類もあるスパイス。こんなに種類が多いと、全部買うわけにもいかないし、いったい何からそろえたらようの?と迷ってしまう方のいることと思います。いろいろなものに挑戦し、自分の下で直接確かめるのも結構ですが、スパイスを使い慣れていない方はまず、ベイ、バジルかオレガノ、クミン、ナツメグ(粉末)などからそろえるとよいでしょう。ベイリーフはあらゆる料理に使えますからスパイスラックにはかかせません。バジルやオレガノはパスタやピザのほか、どちらもトマトと相性がよく、簡単なサラダやソースの味をぐんとひきたてます。カレーの香りといわれるクミンは原型でも粉末でも使いやすいスパイスですし、挽肉料理やデザートにはナツメグの粉末といった具合に、料理の幅を広げてくれること請け合いです。
スパイスの使い方に慣れてきたら、クローブやスターアニス、ローズマリーなどのほかに、ミックススパイスのチリパウダーやガラムマサラなどをそろえてみてはいかがでしょう。ブラックペッパーやホワイトペッパーなども粒でそろえ、料理の度にミルで挽いて使いたいものです。スパイスには香りの強いものもあるので使いすぎると失敗するものもありますが、数種類のスパイスを組み合わせたり、材料にあわせてスパイスを使い分けたりしながら、自分の好みの味を使い分けたりしましょう。
スパイスは香りが命。せっかくいろいろなスパイスをそろえても、使い切らないうちに香りや風味がなくなったのでは困ります。香り成分は揮発性のものがほとんどですから、高温を避け、密閉した場所に保たなければ香りがとんでしまいます。むやみにたくさんの量を買わないことはもちろんですが、生のもの、ドライのもの、それぞれ適切なスパイスの保存法を知っておくと、新鮮な風味を上手に利用していくことができます。
ハーブ系の生のスパイスを保存するのはたいへん難しいので、使う分だけを購入するのが理想です。どうしても使い切れず残った場合は、その日のうちに細かく刻んでよく水気を取り、冷凍用のパックなどに密閉して冷凍するとよいでしょう。また、製氷皿にスパイスを入れて水を注ぎ、アイスキューブにして冷凍しておくと、キューブなどを調理するときにそのままつかえます。スープストックで同様に冷凍すれば、より便利です。
もうひとつお勧めしたいのは、オイルやビネガー漬けにする保存法です。ヨーロッパでは昔から、オリーブオイルやワインビネガーにバジルやローズマリー、フェンネル、タイムなど香りのよいスパイスを漬け込んで料理に使ってきました。作り方は簡単です。水気をよく抜き取ったスパイスを密閉容器や保存ビンにいれて、オイルやビネガーをそそぎます。芳香がオイルやビネガーに移るには多少時間がかかりますが、料理やドレッシングにとても重宝です。
ハーブ系スパイスを栽培してたくさん収穫できたときは、乾燥させて保存しましょう。ミントのように、乾燥すると特有の香りがとんでしまうのもありますが、オレガノやセージ、マジョラム、ローズマリーなどは、乾燥した方が香りが強まります。